hope (ページ18)

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Dix-sept ページ18

「コイツら、殺すか？」

五条は無事であった。拍手をする信者に囲まれ、天内理子の遺体を抱えていた。

服も、その整った顔もボロボロで立っていたのだ。

当然、殺したところで意味はない。夏油は五条を止めたが、納得がいかないようだった。

「……そんなことより、高専に戻ろう悟。彼女だって待っているんだから」

「天内はどうすんの」

「先生達がなんとかするだろう。ここからは私たちの出る幕じゃない」

「…なら行くか」

とは言え、血まみれなうえにボロボロの五条に街を歩かせるわけにはいかない。２人は補助監督に連絡をとり、車で高専まで戻った。

「……戻って来たんだ」

「硝子…」

「帰ってきたトコ悪いけどさ、Aの所に行ってあげなよ。私じゃ無理だ」

「言われなくても行くに決まってんだろ」

「ハイハイ、その格好で言われるとツッコミにくいから早く行ってね」

家入は軽く手を振ると、タバコをくわえ何処かへ行ってしまった。

痛む体を引きずって、２人は謹慎室まで歩いた。