始まり ページ9
釘崎を睨む呪霊は抵抗するためか、首をぐりんと回した。
「釘(それ)、抜いた方がいいわよ。私の呪力が流れ込むから」
釘崎が指をパチンと鳴らすと、呪霊に刺さった釘が振動し、呪霊の頭を貫き砕いた。成す術なく呪霊の体は崩れ落ち、動かなくなった。
(決まった…)
すると、部屋の隅のマネキンが揺れる音がした。そちらを見ると、小学生くらいの男の子が涙目で震えている。どうやらマネキンと荷物の間に隠れていたらしい。
(子供…。遊んで忍び込んで呪いにっ…てところか)
「ほら、もう大丈夫。おいで」
男の子は首を横に振った。ピシャーンとはしる衝撃。
「子供は美人に懐かないってのは本当みたいね。罪な女…。帝夜姉は無理だろうし、虎杖呼ぶか」
「まって。おいていかないで」
釘崎に手を伸ばした男の子の後ろの壁から、毛むくじゃらの呪霊が姿を現した。咄嗟に金槌を振りかざそうとしたが、ハッとして止まった。
呪霊は右手で男の子の頭を掴み、左手の爪を男の子の首に当てたのだ。少し刺さっているのか、男の子は首から血を流している。
(人質!?この呪い、知性がある!!)
**********
「レベルと言っても、単純な呪力の総量の話だけじゃない。『狡猾さ』。知恵をつけた獣は時に残酷な天秤を突きつけてくる。
命の重さをかけた、天秤をね」
**********
(クソクソクソクソ!!こんな呪い、全然大したことないのに!!4級!せいぜい3級の下の下でしょ!?それを自覚してるんだ!!それ故の人質作戦!!
落ち着け私!!私が死んだらその後、子供も死ぬ。子供が死んでも私は死なない!!合理的に考えて、私だけでも助かった方がいいでしょ!?)
そんな思考回路とは裏腹に、釘崎はウェストポーチも釘も金槌も全て手放し、両手を上げていた。
「丸腰よ。その子を逃がして」
呪霊はニヤニヤと笑うばかりで、男の子を逃がそうとはしなかった。嗚呼、そう。呪霊と交渉しても無駄なのだ。
(私の馬鹿!!!ほら、逃がしてくんねぇじゃん!!)
「……最後に、沙織ちゃんに会いたかったな…」
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柳(プロフ) - よう、レオン久しぶりだなぁ。元気にしてたか?無理すんなよbyレオンパパ&主 (2021年2月15日 18時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 柳さん» 「逆に聞くけどよ、俺がみっくんをやると思うか?みっくんは俺の旦那なンだよ」 (2021年2月15日 3時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - みっくんを旦那に貰おうと思ってます。よろしいでしょうか?(レオン君の反応見てぇ…) (2021年2月15日 0時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 柳さん» 「母さんが嫁になってくれるかは柳ちゃんが一番よくわかっとると思うで?」「僕はかまわないけど……ねぇ?」「な、父さん」 (2021年2月14日 1時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - レオン君を嫁にしたいんですけどいいですか?(((( (2021年2月14日 0時) (レス) id: b155e22954 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:匿名希望:我妻さん | 作成日時:2021年1月23日 23時