夜の皇帝となれ １

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「お疲れサマンサー！！」


オッツー、と五条が虎杖と釘崎に手を振った。後ろには不満気な伏黒と疲れた顔の宵蔵がいる。


「子供は送り届けたよー。今度こそ飯行こうか」


「ビフテキ！！」
「シースー！！」


２人は同時に食べたい物を口にした。左右対称の同じポーズで。


「どったの伏黒」


「別に」


「出番がなくてスネてんの」


「あーね？」


「プップー子供〜」


５人は今日会ったばかりにも関わらず、茶化し合い夕飯を食べるため宵蔵の車に乗り込んだ。運転席に宵蔵、助手席に五条、後ろに３人。


「今更だけどさぁ…。帝夜って煙草吸うんだね」


灰皿に盛られた吸殻と、いかにも高そうなジッポーを見て五条が言った。若干引いているが、煙草嫌いなのだろうか。


「あー、母さんがヘビースモーカーなんでそれが影響しとるんやわ」


「ちなみに高専は煙草オッケーだよ。僕は吸わないけど」


「吸わないのね」


「吸わなさそうだもんな」


「吸ってるように見えないしな」


「その通りだけど地味に貶されてない？」


車内は笑いに包まれた。結局どちらに向かうか決まっていないが、それでも良いだろう。この笑える時間を大切にしなくてはならないのだから。


人はいつ死んでしまうかわからないから。


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


記録―――2018年７月
．．．．西東京市．英集少年院
．．．．．．．．．運動場上空


「おい、なんだアレ？」


「ドレ？」


「アレだよ！！卵みてぇな！！」


「だからどれだよ！！」


特級仮想怨霊(名称未定)
その呪胎を非術師数名の目視で確認
緊急事態のため高専一年生３名が派遣され
内1名 死亡

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