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「……わりぃな、結構こき使っちまって」


「ううん、全然。貰ったクッキー分は働かせて貰わないとこっちの気が済まないよ」


「そんな大したもんじゃねぇのに。まぁ助かったワ、ありがとな」


「どーいたしまして」


少し暑い秋空の下、マナルナを引き連れてAの隣を歩くというのは何だか不思議な感覚だ。初めての試みだからか、さっきの会話(母の発言)がまだ脳内をチラついて離れないからか、微妙に気恥ずかしい。


ここでボロを出したらマナルナにも後に合流する八戒にも茶々を入れられるし、場合が場合なら薔薇が咲いているように見られなくもない__。そう思うと耐えるしかないのだが。


対して彼女は美少年のような出で立ちでマナルナに寄って集られ、軽く苦笑いを浮かべている。母に言われたことなんて毛ほども気にしていないようで少し複雑な感じだ。候補、なんて期待させたクセに。


「つーかさ、今思ったけど一さんってあんまり他のヤツと話してねぇよな」


「え?まぁ確かに……言われてみれば」


「なんで?」


「??なんでとは??」


「あぁ嫌、別に何か知りてぇわけじゃなくて純粋な興味な。だって気になるだろ、休み時間とか大抵オレと話してるし」


「えっ嘘、自覚なかったわ」


なかったのか。自覚なしでいつも歩み寄っては可愛い笑顔で話しかけて来てたのか。こっちが嘘だろと言いたいところだが……自分相手だけで良かった。そんなAの反応にマナルナはニヤリと目を細める。


「Aおねーちゃんもしかしてぇ……」


「もしかしてぇ……?」


「コラ、おふくろといいオマエらといいすーぐそういう話に持っていかねぇの」


「そんなっ……酷いわお兄ちゃん、夢見る乙女の可愛らしい想像を否定するって言うの……!?」


「いやマナ、反応に困るからその悲劇のヒロインモードやめてくんねぇ……?」


「っふふ、2人共そういうのに興味ある年頃だもんね。んー なんでだろ、単純に三ツ谷君といるのが1番落ち着くからやない?それに私男友達少ないし」


「ふーん。だからオレは"候補に入れとこうかな"って感じなワケ?」


「っぁあああやめてその話題ぶり返すのやめて!」

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匿名希望:我妻さん - 書き疲れたのでここから先は一ちゃん視点をご覧くださいませ (2021年12月1日 19時) (レス) id: 3afba90bb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:匿名希望:我妻さん | 作成日時:2021年9月17日 21時

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