* ページ9
「……わりぃな、結構こき使っちまって」
「ううん、全然。貰ったクッキー分は働かせて貰わないとこっちの気が済まないよ」
「そんな大したもんじゃねぇのに。まぁ助かったワ、ありがとな」
「どーいたしまして」
少し暑い秋空の下、マナルナを引き連れてAの隣を歩くというのは何だか不思議な感覚だ。初めての試みだからか、
ここでボロを出したらマナルナにも後に合流する八戒にも茶々を入れられるし、場合が場合なら薔薇が咲いているように見られなくもない__。そう思うと耐えるしかないのだが。
対して彼女は美少年のような出で立ちでマナルナに寄って集られ、軽く苦笑いを浮かべている。母に言われたことなんて毛ほども気にしていないようで少し複雑な感じだ。候補、なんて期待させたクセに。
「つーかさ、今思ったけど一さんってあんまり他のヤツと話してねぇよな」
「え?まぁ確かに……言われてみれば」
「なんで?」
「??なんでとは??」
「あぁ嫌、別に何か知りてぇわけじゃなくて純粋な興味な。だって気になるだろ、休み時間とか大抵オレと話してるし」
「えっ嘘、自覚なかったわ」
なかったのか。自覚なしでいつも歩み寄っては可愛い笑顔で話しかけて来てたのか。こっちが嘘だろと言いたいところだが……自分相手だけで良かった。そんなAの反応にマナルナはニヤリと目を細める。
「Aおねーちゃんもしかしてぇ……」
「もしかしてぇ……?」
「コラ、おふくろといいオマエらといいすーぐそういう話に持っていかねぇの」
「そんなっ……酷いわお兄ちゃん、夢見る乙女の可愛らしい想像を否定するって言うの……!?」
「いやマナ、反応に困るからその悲劇のヒロインモードやめてくんねぇ……?」
「っふふ、2人共そういうのに興味ある年頃だもんね。んー なんでだろ、単純に三ツ谷君といるのが1番落ち着くからやない?それに私男友達少ないし」
「ふーん。だからオレは"候補に入れとこうかな"って感じなワケ?」
「っぁあああやめてその話題ぶり返すのやめて!」
105人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名希望:我妻さん - 書き疲れたのでここから先は一ちゃん視点をご覧くださいませ (2021年12月1日 19時) (レス) id: 3afba90bb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:匿名希望:我妻さん | 作成日時:2021年9月17日 21時