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合流するのに一番手っ取り早いため、マイキーを探しつつ柴姉弟と出店をまわった。こういう祭りで売られているものはどれも安いので、家計費に優しくて助かる。
抗争のことを気にしなくても良いし、妹達も自分達だけでまわれる歳になったし、今回の武蔵祭りはハメを外せそうだ。あわよくばAの姿を焼き付けられたら良いのだが……なんて。
「つか案外見つかんねぇもんだな」
「人多いしな。八戒オメー背ぇ高ぇし誰か見つけて来いよ」
「無理だよ!?オレより柚葉の方が適任だろ!?」
「おいどういう意味だ」
「うっせぇよオメーら 周りに迷惑かけんな」
「ごめんタカちゃん!…………あれ?あれってマイキー君じゃね?」
「「は?」」
ほらあそこ、と八戒が指差す先には数人の立ち止まった人がいる。店の看板を見るに射的の屋台のようだ。その中に、確かに覚えのあるピンクゴールドの髪を揺らす彼がいた。そしてその彼の目線の先にいるのは。
「ん?ああなんだオマエらか。オマエら見てた?Aめっちゃスゲェんだよ」
「……あれがそう?」
「そーそー、今やってんのがA」
やはり彼女だ。真剣な目で銃を構える彼女が今周囲の視線を集めている人。それにしてもAの装いは三ツ谷の予想の斜め上を行くもので、浴衣ではなく白黒赤の3色で統一した巫女装束のようなものに身を包んでいるのだ。
後ろで緩めに編み込まれた髪も可愛らしい。浴衣を着た人が多いこの祭りの中では異端でも、Aらしく見事に着こなしているため違和感がない。そして何となく、浴衣持ってなかったんだろうなと今の服装の訳を察した。
その刹那、パンッ__と渇いた音が鳴る。弾は目標であろう九尾の狐のぬいぐるみへと一直線に翔んでいき、九つある尻尾のうち右端の1つを撃ち抜いた。落ちはしなかったものの、位置がズレている。
「……すご、くない?」
思わず八戒が溢したその言葉にAは振り返った。その驚きようからして、立ち止まっている人々にすら今気づいたということがわかる。
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匿名希望:我妻さん(プロフ) - runaさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 13時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
runa - お忙しい中三ツ谷君視点も書いていただきありがとうございます。とっても美味しいです(???) (2021年8月26日 11時) (レス) id: 318f1a5b3c (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 宿題がっ…………済まない………だと……?数日間更新しないかもしれません (2021年8月23日 19時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - インパルスって描くの大変すぎません?難しいんですけど…… (2021年8月11日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 彼が語る、幸せな世界線の物語。 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 1時