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夏祭り ページ37

8月3日。東卍が集会場所としている武蔵神社にて武蔵祭りが行われる日だ。呼ぶまでもなく皆集まるだろうということで特に連絡は入っておらず、現地合流しなければならない。


現在 三ツ谷はここぞとばかりに浴衣を持って来た妹達の着付けをしているところだ。昔こそ手こずったものの、15にもなれば女物の浴衣すら綺麗に着せられるようになっている。帯の結び目すらアレンジする始末だ。


「オマエら本当に2人でまわんの?」


「うん。友達も一緒だから大丈夫だもん」


「なら兄ちゃんアイツらとまわるけど……あんまり長居すんなよ、たぶん送ってやれねぇから」


「「はーい」」


キュッとルナの帯を結び終わると、一息ついて今度は自分の浴衣に目を向ける。去年は武蔵祭りと抗争が重なってしまったために着ることができなかったが、今年は着られるだろう。


丈はあらかじめ直しておいたし、心配することは特にない。慣れた手つきで浴衣に袖を通し、形が崩れる前にさっさと帯を結んだ。


手製の巾着には財布と携帯だけ入れておき、先に出ていった妹達の普段履きの靴を端に寄せて下駄を出す。これを履くのも1年ぶりになるのか。そんなこと考えながら、扉の鍵を閉めて日没前の空の下を歩き始めた。


下駄でバイクに乗るなんて愚行はさすがにしない。それこそ夜道は危ないからAを送ってやりたいし……と思ったところで、一瞬歩みが止まった。


(一さんって浴衣着て来んのかな……)


彼女のことだから私服でもおかしくはないのだが、せっかくだし好いている女の浴衣姿くらい拝んでおきたいと思うのは当然のこと。容易に想像できる浴衣姿はどれも魅力的で可愛らしい。


期待に胸を膨らませていると、もう武蔵神社に着いていた。Aはもう来ているのだろうか。


「おーいタカちゃーん!」


「よぉ三ツ谷ー」


「ん?ああオマエらか。まさか八戒(オメー)ずっとここで待ってたのかよ」


「だってタカちゃんいねぇと何も始まらねぇし?」


「って八戒が言ったからアタシも待ってた。とりあえず行こーぜ」

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匿名希望:我妻さん(プロフ) - runaさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 13時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
runa - お忙しい中三ツ谷君視点も書いていただきありがとうございます。とっても美味しいです(???) (2021年8月26日 11時) (レス) id: 318f1a5b3c (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 宿題がっ…………済まない………だと……?数日間更新しないかもしれません (2021年8月23日 19時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - インパルスって描くの大変すぎません?難しいんですけど…… (2021年8月11日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 彼が語る、幸せな世界線の物語。 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 1時

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