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案内された廊下の奥にあるAの部屋は、汚いと言っておきながらかなり整頓されていた。冷蔵庫やテレビ、PSと設備もあらかた揃っており、彼女が部屋からあまり出ないことを物語っている。
一言で言えば彼女らしい生活感のある部屋だ。妹達は大興奮でベッドに上がり、ぬいぐるみと戯れ始めている。
「スゲェ部屋だな……広いし」
「何しろ一人っ子だったからさ、ある程度は金かけてもらえたんだ。でもゲーム関係は姐さんに貰ったものばっかり」
あの人すぐ飽きるからさぁ、とAは呆れたように笑った。彼女は幼少期より様々なものに恵まれて生きてきたのだろう。その代わり家族団欒の時間をあまりとれず、ドロシーの言うように強がるようになった……というわけか。
妹達の面倒を見るのは大変だが、一人っ子というのもそれはそれで寂しいものだろう。ゲームソフトのジャンルには乙女ゲームの類いもあるし、Aの言う二次元とは心の支えでもあったことが伺える。
「オマエ家に1人でいて寂しくねぇの?」
「まあね。もう慣れたから寂しくないよ」
「…………どーん!!」
「うわぁっ!!?」
少し俯いた彼女に突然マナが飛び付いた。あまりの勢いに彼女が後ろに倒れたが、それでもお構い無しにルナも飛び付いた。この間約5秒。三ツ谷1人取り残して3人が床に寝そべる形になり、思わずギョッとする。
そうやって困惑している間にマナルナに手を引っ張られ、三ツ谷もAに覆い被さるように倒れこんだ。耳が一気に熱くなり、目をそらそうとするも妹達の核心をつく言葉で中断させられてしまう。
「お姉ちゃん、嘘ついちゃダメなんだよ?」
「ぇ……」
「お姉ちゃん寂しそうだったもん。だからマナがどーん!!ってしちゃった」
「……はは、マナちゃん達は鋭いなぁ……。え、めっちゃいい子やん私の妹になる?」
「おいコラちょっと待て」
「冗談だよ」
ケラケラと笑う彼女に半端呆れつつ、この体制をどうしようかと考える。結果的にドロシーが入ってくるまでそのままだったのだが。
……ちなみに、結婚したら合法的に妹になるくね?とか思ったのは内緒である。
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匿名希望:我妻さん(プロフ) - runaさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 13時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
runa - お忙しい中三ツ谷君視点も書いていただきありがとうございます。とっても美味しいです(???) (2021年8月26日 11時) (レス) id: 318f1a5b3c (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 宿題がっ…………済まない………だと……?数日間更新しないかもしれません (2021年8月23日 19時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - インパルスって描くの大変すぎません?難しいんですけど…… (2021年8月11日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 彼が語る、幸せな世界線の物語。 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 1時