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キーン コーン カーン コーン
授業の終了を告げるチャイムが鳴り響く。学級委員の号令のあと、理科の教科書類を抱えた2人はいち速く教室へと戻り、律儀にも次の授業の準備をしたうえで生徒会室の扉を開けた。
生徒会室は2人の教室の左隣にあり、それこそ生徒会の会議の時にしか使われない。そのため2人のクラスが気軽に使える部屋なのである。そんな理由があるからか鍵は開けっ放しの時が多い。
さて、勢いよく閉められた扉を横目に椅子に座ったAは同じく椅子に座った三ツ谷と目を合わせた。推しと2人でご対面という落ち着けない状況なのでとても気まずい。其れはもうとても。
「あの……一さんって……さ、レディースか何か?」
「まさか。んな度胸ないよ」
「まあそうだよな……」
お母さんはそうだったけど、と心の中で言いつつAは三ツ谷を見る。彼も彼で相当混乱しているらしく、いろいろ考えているようだ。
ため息をつき、頭を手で支える。それを不思議に思ったのか、Aは何かを思考し始める。その数秒後に突然セーラー服の袖を捲り、こちらに差し出してきた。
「
「何、って。刺青だろ?」
「……やっぱりか」
「それ以外の何があるんだよ」
体に模様が入っている理由など刺青以外は思いつかない。三ツ谷も1度、右のこめかみに入れたことがあるから余計にそうとしか思えない。刺青とはそれほどまでに、不良であることの象徴たりえるものだ。
Aは彼の返答がまるで予想通りとでも言うように苦笑いをし、時計を確認してからまた三ツ谷と目を合わせた。残り時間が少なく互いに焦燥感にかられているなか、どうやら弁解があるらしい。
「三ツ谷君さ、マイネームで掌とかにメモ取ったことある?」
「一応あるが……」
「それだよ、それ」
「……は?」
「いや違うな、正確にはそれに近いもの?ただのメヘンディアートだよ」
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匿名希望:我妻さん(プロフ) - runaさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 13時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
runa - お忙しい中三ツ谷君視点も書いていただきありがとうございます。とっても美味しいです(???) (2021年8月26日 11時) (レス) id: 318f1a5b3c (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 宿題がっ…………済まない………だと……?数日間更新しないかもしれません (2021年8月23日 19時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - インパルスって描くの大変すぎません?難しいんですけど…… (2021年8月11日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 彼が語る、幸せな世界線の物語。 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 1時