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期末テストが目前に迫ってきた。もうすぐ部活停止期間に入る。もう文化祭の製作が終わったAにとってはそれがどうしたという話かもしれないが、作業が残っている三ツ谷にとってはそうもいかない話だ。


だいぶ形はできているし、ほとんど完成に近い状態だ。頑張りさえすれば今日明日で終わるくらいにはなっている。それでも文化祭の製作物なので丁寧に仕上げなければならない。


Aは絵が苦手だと言う手芸部員のデザイン画を代わりに描くという作業をして暇を潰していたが、それももう終わりだ。


「終わりそう?」


「一応な。期待はするなよ」


「じゃあ期待しておくね」


「おい」


まあ"するな"と言われたらしたくなるのが人の性。あまり期待されても困るのだが期待されないよりはマシだ。


……ふと、隣から寝息が聞こえた。Aの方を見ると、机に伏して静かに眠っている。そういえば昨日は深夜テンションでRPGをオールクリアした等と言っていたので疲れていたのだろう。


仕方ない。このまま寝させてやるか。

**********

キーン コーン カーン コーン


チャイムが鳴って、ふと作業の手を止めた。部活終了のチャイムだ。三ツ谷は立ち上がると部員達に号令をかけ、ソーイングセットを片付けた。まだAは寝ている。早く起こしてやるのが得策だろう。


それはわかっているのだが。三ツ谷はおずおずと彼女の頭に手を乗せた。彼女の髪は常にサラサラとしていて、指の間を縫っていく感覚が堪らない。そのまま撫で続ける。最終下校時刻を知らせるチャイムが鳴った。


……彼女がモゾ、と動き顔を上げる。数秒間の沈黙のあと、三ツ谷はバッと慌てて手を退けた。


「ごっ……ごめん、マジで」


「いやええけど……。さっきのチャイムって最終下校(あれ)?」


「そ。起こそうとは思ったんだけどな…」


「いいよ 今から出ればいいしね。……それ、完成品?」


トルソーに着せたワンピースを見ながらAは言った。なんとか刺繍も終わらせたし、シルエットも綺麗だ。是非とも着てもらいたい。


「ああ、なんとか終わったよ。とりあえず急ごうぜ」


「わかった40秒で支度する」

*→←*



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匿名希望:我妻さん(プロフ) - runaさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 13時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
runa - お忙しい中三ツ谷君視点も書いていただきありがとうございます。とっても美味しいです(???) (2021年8月26日 11時) (レス) id: 318f1a5b3c (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 宿題がっ…………済まない………だと……?数日間更新しないかもしれません (2021年8月23日 19時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - インパルスって描くの大変すぎません?難しいんですけど…… (2021年8月11日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 彼が語る、幸せな世界線の物語。 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 1時

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