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「あれ タケミっち?」
「うおっ!?」
コンビニでたまたま出会ったタケミっちは情けない声で驚いた。外は珍しく晴れ空で、妹達も遊びに行ったし家事もある程度済んだので遊びに来たのだ。どうやらヒナも来ているらしく、棚の向こうから覗き込んできた。
用事だけ済ませて帰ろうかとも思ったがちょうど良い。2人共暇なようだし少し付き合ってもらおう。そういうわけで、三ツ谷はヒナと共にタケミっちの家にお邪魔することにした。
「わりぃな急に。少し相談があったんだよ」
「へぇ、珍しいっスね。どんな相談なんですか?」
「……最近何か変なんだよ。何て言うか……一さんが相手だと妙に緊張するし、変な感情が湧いてくんの。これって何なんだ?」
「それってAさんにだけってことですか!?」
「そうなんのかな。ヒナちゃんわかる?」
「わかるも何もそれって恋ですよ!」
「……え」
「あの、保証はないんスけど……三ツ谷君はAさんのこと好きだからそうなるんです」
「…………あぁ やっぱり?」
恋。Aのことが好き。喉元まで出かかっていた感情の正体は思っていたよりも安直だった。恋人同士であるタケミっちとヒナに言われるとどうも信憑性があるし、薄々感づいてはいたからストンと腑に落ちた。
好き、か。言葉にするには恥ずかしいその2文字がこの感情の正体なんだ。Aが好きだからAの傍にいたいと願ってしまうのだと同時に理解した。
「やっぱりって……」
「感づいてはいたんだよ。まぁそうだよな、好きでもなけりゃ手ぇ出そうとしねぇワ」
「手っ!?何しようとしたんスか!?」
「わざわざ教えねぇよ!!人様に言うようなものでもねぇだろ!?」
「2人共ちょっと落ち着こう?確かに気になるけどプライベートだし……ね?」
ヒナの一言で互いにハッとし、気まずそうに着席する。少し興奮してしまったようだ。こればかりは失言してしまった自分が悪い。1度深呼吸をして心を落ち着かせ、悪かったなと謝っておいた。
……まあ、わかったところでAとの関係は変わらないけれど。
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匿名希望:我妻さん(プロフ) - runaさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 13時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
runa - お忙しい中三ツ谷君視点も書いていただきありがとうございます。とっても美味しいです(???) (2021年8月26日 11時) (レス) id: 318f1a5b3c (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 宿題がっ…………済まない………だと……?数日間更新しないかもしれません (2021年8月23日 19時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - インパルスって描くの大変すぎません?難しいんですけど…… (2021年8月11日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 彼が語る、幸せな世界線の物語。 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 1時