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__まあ しかし彼がそれで眠れる訳もなく。Aが母の部屋へ入ったのを確認すると、三ツ谷は一気に脱力して床に座り込んだ。


体力的にも忍耐力的にも疲れた。脳裏に焼き付いた彼女の姿が消そうにも消せなくて、知らず知らずの間に頬が熱くなっていく。エマがどんなに制服を気崩そうが気にならないのに、自身の服を着たAは何故か理性を刺激してくるのだ。


これだから思春期は困る。意識しているわけでもない彼女に汚い欲が湧いて、伸ばしたくなる手を必死に抑えつけて。正しく馬鹿の所業。純粋に自分を慕ってくれるAを侮辱する行為。


(オレ いつからこうなったんだ……?)


惚けた頭で壁にもたれかかる。数年前ドラケンの自宅であるキャバクラに行った時でもこんな欲は湧かなかったというのに。ただひたすらAが可愛くて、自分の手で乱してやりたくて。こんな感情初めてだ。


……一度頭を落ち着かせ、ベランダを開ける。夜風がスウッと横を通り抜けた。まだ雨が降っていて少し肌寒い。自然と熱くなった顔も冷えてきて、冷静さが戻ってきた気がした。


明日になれば、自宅で彼女と過ごせる時間も終わり。三ツ谷は見えもしない月に思わず手を伸ばした。


「……雨、止まねぇな」


口をついて出た彼の本心は、雨音に掻き消されて誰かの耳に届くことはなかった。


はぁ、と疲れたようにため息を1つ。ベランダを閉めてハンガーにかけたままのAのセーラー服に触れた。とっくに乾いているそれからは微かに彼女の匂いが漂ってくる。限りなくラベンダーに近い石鹸の匂い。彼女らしくて笑みが溢れた。


手を離し、棚からアイロンと台を取り出す。あらかじめ給水していたのですぐに電源を入れ、セーラー服のハンガーを外した。そのまま慣れた手つきでアイロンをかける。それによってシワが取れるこの瞬間が好きだ。


アイロンがかけられたらすぐに畳んで重ねる。朝起きてすぐAが着替えられるよう、あとで母の部屋に持っていかなくては。


「……一さん寝てんのか?」

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匿名希望:我妻さん(プロフ) - runaさん» ありがとうございます! (2021年8月26日 13時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
runa - お忙しい中三ツ谷君視点も書いていただきありがとうございます。とっても美味しいです(???) (2021年8月26日 11時) (レス) id: 318f1a5b3c (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 宿題がっ…………済まない………だと……?数日間更新しないかもしれません (2021年8月23日 19時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - インパルスって描くの大変すぎません?難しいんですけど…… (2021年8月11日 17時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん(プロフ) - 彼が語る、幸せな世界線の物語。 (2021年8月8日 2時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:匿名希望:我妻さん x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 1時

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