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元々制御が難しい能力ではあったし、見た目年齢６歳なんて感情の起伏が激しい年頃。上手く扱えるわけもないだろう。
それでも当時のフェネクスからすればかなりショッキングな出来事だったらしい。しばらく誰とも口をきけなかったのはいい思い出だ。何年もかけて今では普通に話せるくらい上達したが、やはり思ったようには使えない。酷く感情が乱れると暴発させてしまう。
「私には向いてないでしょうね」
「ふーん……何がお前にそう言わせるのかは知らないけど、たぶん難しく考えすぎだぞ」
「どういうことです？」
フェネクスはイチョウ先生の顔を見上げて問う。
「自分の"欲"に正直になって決めればいいんだ。師団は同じ趣味・嗜好を持つ者同士互いに高め合う場。例え不向きであろうが爆弾抱えていようが、一生懸命なヤツを除け者にはしないさ」
「私の"欲"……」
「お前も悪魔なら一つじゃないだろう。面倒な事情は置いといてまずは入ってみればいい。それで拒まれたなら全力で脅せ、少なくともダリ先生は全肯定するから」
「それでいいんですか教師統括」
「あのヒトがあれだから好き勝手できてるところはある」
想像上のダリ先生がＶサインをした気がした。
「まぁ、なんだ。Aにとって益になる時間にできたなら待ってた甲斐があったな」
「あれっ、冗談だって言いませんでした？」
「冗談だよ。２割は」
「詐欺師の手口じゃないですか。先生に黄色い声を出す子達にも聞かせてあげたいですね」
「実在してたのか」
「まぁ３割くらい」
「残りの７割が気になるなぁ……」
こんこん、と灰皿に灰を落とした。とっくにタバコは味気なくなっていて、余韻の煙だけが立ち上っている。フェネクスはもたれていた壁から背を離すと、静かに吸殻を燃やした。
「もう行くのか？」
「待たせてるので」
キィ、と喫煙所の扉を開ける。すると壁に耳を当てているエイコたちとまっさきに目が合い、なんとも言えない気まずい空気が流れた。
「えぇ……っと、これは違うのAちゃん」
「なんかこう……ロマンスを期待してただけで……」
「あるわけないでしょ、私とイチョウ先生で」
やれやれとため息をつく。この感じ、全部聞かれていたようだ。なんと言うべきかわからず目を泳がせていたら、ワルブが呆れたように笑って言った。
「A。俺、明日 放送師団の見学行きたいんだけど」
「……！うん、一緒に行こう」
「仕方ないなぁ、ワタシたちも行こっか！」
「そうだね！」
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ng(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ち遠しいです！ (11月22日 16時) (
レス) @page37 id: 48a8bb30b0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 夢主ちゃんの読み聞かせめっちゃ聞きたい…！絶対いい声じゃん。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page39 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きです！ いつも楽しみにしています！ (10月4日 20時) (レス) @page36 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！！この作品めっちゃ好きなので嬉しいです！！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！次の更新が待ちどうしいです！！！ (8月28日 20時) (レス) id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月28日 0時
