IV ページ5
やがてチチチ、と囀りが聴こえて鳥が二階の窓から顔を覗かせた。まさか帰ってくるのかと顔を強ばらせたエイコたちだったが、鳥はそのままフッと消えてしまった。これはもしかして。
「ビンゴ！？」
「ビンゴ！うん、この距離でもあの
「ところで"あのヒト"って？」
「今にわかるよ」
二階といっても、一階ごとの天井が３ｍ以上あるのでそこそこ高さはある。それでもここなら見つけてくれるだろうと信じての中庭だ。なおフェネクスには二階の様子なぞ見えるわけがないので、ただ待つのみである。
そろそろかな、と思ったあたりで中指と親指をくっつけ、これ見よがしに掲げてみた。瞬間、ふわっと浮遊感に包まれる。そして次の瞬間にはタイルの上に尻もちをついていた。
「……何か言うことは」
「ありがとうございます、イチョウ先生」
「そうだけどそうじゃない。お前はヒトの家系能力をタクシーかなんかだと思ってるのか」
呆れたようにため息をつくイチョウ先生。それでもなんだかんだ手を差し伸べてくれるところが紳士的だといわれる由縁なのだろう。
一緒に
「いってぇ……」
「あいたたた……Aちゃん、探してたのってイポス先生だったの？」
お尻を擦りながらエイコが問う。
「うん。この時間帯だもん、師団塔にいないなら
「根拠は」
「ありません」
「カマ掛けか。まぁいい、実際待ってたしな」
「えっ」
「冗談だよ」
「はぁ？ナメてんですかコノヤロー。先生にキャアキャア言ってる女の子たちの目を醒ましてあげたいですよホント」
「言われてるのか？聞いたことないぞ」
「冗談ですからね」
「コイツ……！」
高度に聞こえて低レベルな口論。なのに無駄にテンポはいいものだから３人は置いてけぼりになってしまう。
一生徒と教師がムキになって言い争っているのがちょっと面白かったのか、誰かがフッと笑ったので争いはそこで静かに停戦となった。
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ng(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ち遠しいです！ (11月22日 16時) (
レス) @page37 id: 48a8bb30b0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 夢主ちゃんの読み聞かせめっちゃ聞きたい…！絶対いい声じゃん。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page39 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きです！ いつも楽しみにしています！ (10月4日 20時) (レス) @page36 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！！この作品めっちゃ好きなので嬉しいです！！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！次の更新が待ちどうしいです！！！ (8月28日 20時) (レス) id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月28日 0時
