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あるところに貧乏で働き者な男がおりました。男はある日ロバを連れ薪拾いに向かうと、40人の盗賊共が奪った宝を洞穴に隠そうとしているのを見かけてしまいます。
「開け、ゴ魔！」
盗賊の頭領が叫びました。するとどういうことか、洞穴の入口を塞ぐ岩戸がひとりでに開いたではありませんか！それは洞穴に入るための呪文だったのです。盗賊共は洞穴の中に宝を隠すと、今度は
「閉じろ、ゴ魔！」
と叫び岩戸を閉めて行きました。
さァ、一部始終を見ていた男はどうするでしょう？男は盗賊共が立ち去るのを息を殺して待ちます。そして岩戸の前に立ち、
「開け、ゴ魔！」
と呪文を唱えました。重たい岩戸がスルスルと開き、洞穴の中に入ってみればなんということでしょう！目が眩むほどの金銀財宝の数々！
男はロバの背中に乗るだけ金貨の袋を乗せると、岩戸を閉じる呪文を唱え家へと持ち戻りました。
さて、かくして大金持ちとなった男には元より金持ちである兄がおりました。兄は男に金貨を手に入れた経緯を無理やり聞き出すとすぐさま洞穴へ向かったそうな。しかし財宝に夢中になりすぎてしまったがために、再び岩戸を開けるための呪文を忘れてしまいました。
「開け、魔め。……開け、ムギ。開け、……」
とうとう兄は盗賊共と出くわし、無惨にも八つ裂きにされてしまいましたと、さ。
……ここまではとても有名な話。ですが本番はここからでございます。
なかなか帰ってこない兄を心配した男は、翌日洞穴へと向かいました。洞穴の中には変わり果てた兄の姿。男は兄の亡骸を持ち帰ると、兄に仕えていた聡明な女奴婢に相談しました。
相談の末、兄は病死したことにして内密に葬儀をすることになりました。遠方の仕立て屋に亡骸を縫合してもらい、無事に葬儀が済みます。
兄の家と財産は男が引き継ぐことになりました。そうして男はこの上なく裕福な身となったのです。
ところがそう上手くはいきません。盗賊共は亡骸と金貨の袋が持ち去られたことに気付くと、すぐに捜索を始め男の家を見つけ出しました。盗賊の頭領は旅の油売りに変装し、手下たちを油容器に潜ませ男を訪ねます。
「旦那様。どうか一晩泊めていただけませんか」
男は宿無しの油売りを快く迎え入れました＿＿
26時まで残り２分をきった。フェネクスはふっと目を伏せると、静かな声で告げる。
『続きは、後ほどにいたしましょう』
アラビアンナイト『アリババと40人の盗賊』より
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ng(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ち遠しいです！ (11月22日 16時) (
レス) @page37 id: 48a8bb30b0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 夢主ちゃんの読み聞かせめっちゃ聞きたい…！絶対いい声じゃん。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page39 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きです！ いつも楽しみにしています！ (10月4日 20時) (レス) @page36 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！！この作品めっちゃ好きなので嬉しいです！！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！次の更新が待ちどうしいです！！！ (8月28日 20時) (レス) id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月28日 0時
