VI ページ36
「ダリ先生……これは非常事態なんですね？」
「そうだね。なるべく内密に事を終わらせたいところだけど、君たちの仕事ぶりを見込んで協力をお願いしよう」
フェネクスが問うと先生は案外あっさりとそう言った。こういう場合はぐらかされてしまうだろうと思っていたので、一瞬動揺して固まる。だが、きっとそれだけ信頼してもらえている証拠なのだろう。
４人は顔を見合わせて互いに頷くと、一斉に同じ機材の確認を始めた。外部通信用のチャンネル、アンテナ、そもそも電源がちゃんと入るかどうか。
エド先輩に叩き込まれた非常マニュアルが今年中に必要になるとは。ちゃんと暗記しておいて良かった。
「……ダメだ、繋がらない」
「こっちは問題ないです。A、そっちコード抜けてたりしない？」
「しない。全部しっかり挿してある」
「チャンネル番号の方、試しに設定し直してみます。望み薄ではありますけど……」
カチャカチャと思いつく限り通信設定をいじくってみるが、雲行きは怪しいどころか悪い。何をしてもつながる気配がない。
「カルエゴ先生、聞こえますか？」
ダリ先生がカルエゴ先生と魔通信を繋げる。
「……ダメです」
「バビルスの外部とは連絡ができません。魔通信が可能なのは、
不甲斐ない。きっとみんな思っていることは同じ。ただ一度、何かの間違いで通信が繋がることを祈って試行錯誤を繰り返すだけだなんて。尽くせる手は限られているし、高位魔術によって阻害されているとしたら？可能性は１％にも満たない。
いつの間にか中央広場は沢山の生徒で溢れかえっていた。全校生徒とまではいかないが、それでも大部分はもうこの場に集まっているだろう。
「こんなに早く……?」
引っかかることが多すぎて手元に集中できない。フェネクスは不安げに眉を下げてダリ先生の方を振り返った。
「どうしたの？」
「いえ、なんでも……」
「……君は感受性豊かだからね。何か感じ取っちゃった？大丈夫、君たちもカルエゴ先生も適切に対応できてるよ」
「けど、」
「それに僕がいるでしょ」
フッと息を飲んだ。いつも通りの笑みなのに、その声は凛としていて根拠のない安心感を沸き立たせた。このヒトがそう言うなら……というような。
「ね？」
「確かに……？」
「ちょっとダリ先生、うちの団員を
「言いがかりは止めてほしいなぁ」
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ng(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ち遠しいです！ (11月22日 16時) (
レス) @page37 id: 48a8bb30b0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 夢主ちゃんの読み聞かせめっちゃ聞きたい…！絶対いい声じゃん。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page39 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きです！ いつも楽しみにしています！ (10月4日 20時) (レス) @page36 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！！この作品めっちゃ好きなので嬉しいです！！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！次の更新が待ちどうしいです！！！ (8月28日 20時) (レス) id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月28日 0時
