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その後も師団塔内にいた大勢の教職員に声をかけていった。誰も彼もがフェネクスが入る師団を決めあぐねていると聞くと、勧誘と同時に有益な情報を多々語ってくださった。なお、道すがらの勧誘は両隣の３人がキッパリ断ってくれたので移動はスムーズに済んだ。
窓の外はもうじき黄昏色に染まる頃だ。もうあらかた塔内は巡りきったし、あと行くとすれば本館と中央広場くらいなものか。
「そういえば先生に聞き込みするって言いつつまだ職員室に行ってないよね？」
「ホントだ！でもどうする？そろそろ下校時間になるし、職員室まで遠いし……明日にする？」
「……ううん、行く。でも職員室じゃない」
なんとなく直感が働いて、静かにそう言った。
「多分だけど……いると思うの。ついてきて、中庭ならきっと気付いてもらえるから」
はやる気持ちで階段を駆け下りた。突然やる気を出したフェネクスの足をエイコたちは急いで追いかける。
生徒たちの間を縫いながら踊るように駆けていく。師団塔一階の裏口を開けて、そのまま中庭まで一直線。そして中庭の中心に差し掛かったところで立ち止まった。ここまであまり距離がなかったとはいえ、少し疲れたので多少息を整える。
「はぁ、はぁ……それで、中庭着いたけど気付いてもらえるって？」
「見てて」
フェネクスは手のひらをパッと前に出す。瞬間、手の中に揺らめく黄金の火が灯った。その火を包み込むように握り、そっと口付けて再び開くと、そこから燃え盛る小さな火の鳥が生まれた。
「すごい！もしかして使い魔？」
「ではないよ、これはラファイアの応用。一時的に自立させただけだから、思考はあっても意思はないの」
さぁ、行ってらっしゃいと本館に向けて放つ。チリチリと火の粉を落としながら鳥は本館二階の廊下へと飛んで行った。
「あの子が帰って来なかったらビンゴ……かな」
「どうする？俺は帰ってこないに200ビル」
「ワタシも帰ってこないに100ビル」
「私も……ってそれじゃあ賭けにならなくない？誰か逆張りしてよ、金欠なんだよぅ」
「アイスご馳走様ね？」
「いいんだよ……っ、一番安いバニラにしてくれたもん……」
そうは言いつつ涙目のエイコの懐がどれだけ寒いかは計り知れない。しかし彼女の自業自得なところはあるので背中をぽんぽんとだけ叩いておいた。
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ng(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ち遠しいです！ (11月22日 16時) (
レス) @page37 id: 48a8bb30b0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 夢主ちゃんの読み聞かせめっちゃ聞きたい…！絶対いい声じゃん。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page39 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きです！ いつも楽しみにしています！ (10月4日 20時) (レス) @page36 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！！この作品めっちゃ好きなので嬉しいです！！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！次の更新が待ちどうしいです！！！ (8月28日 20時) (レス) id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月28日 0時
