�将� ページ29
貰ったハンバーガーを片手でもきゅもきゅ頬張りながら中庭を目指す。思わぬ出会いのおかげで望み通りの昼食をゲットすることができたので、その足取りは軽やかだ。
ちょうどペンキで文字入れ作業中の入口ゲートをくぐる。そして一直線に本部へと向かうと、同じように軽食を片手に持ったバラキ先輩とエド先輩がいた。フェネクスたちで全員集合、のようだ。
「さっきぶり、早かったね」
エド先輩がひらひらと手を振る。バサッと羽を広げ高台にある席へ降りると、２人はさっきぶりですと会釈をした。
「おぉ〜、機材の搬入終わったんですね」
「いろんな先生が頑張ってくれたみたい。あとで中央広場の方も確認しに行こうね」
「というわけだから、残ってるのは最終チェックと微調整だけど……試しにひとつ放送流してみる？といっても皆まだ昼ごはん中だけどさ」
「あ、私あと一口半です。テスト放送するんでしたらすぐにでも調節しますよ」
「エドちゃん速くない！？僕ら同じカップ魔ーメン買ってたはずだよね！？」
どうやらあちらも結構ギリギリで昼食にありつけたらしい。フェネクスたちと違うのは食堂で手に入れたか、会場の出店で先取りさせてもらったかぐらいだろう。
「私たちもこれ一つ食べ終わったら確認作業だね」
「そうだな」
「あんまり急がなくていいからね。まだ僕も食べ終わってないし、喉に詰まらせちゃうよ」
バラキ先輩は魔ーメンを上品にすすりながら言う。だけどそれなりに早く済ませた方がいいのは確かだ。フェネクスは機材チェックを始めたエド先輩を横目にハンバーガーの残りにかぶりついた。
「とりあえずこっちはオールオッケーです」
「見ただけでわかるようになったね、感心感心！団長、こっちもオッケーです。ボリュームの方はテストしつつ調整します」
「外部通信の方も問題ナシ、ちゃんと届きそうです」
「ならあとは僕だけだね。ごちそうさまでした、っと、マイクONにして！Aちゃんたちも食べ終わった？」
「終わりました、いけます！」
「じゃあ電源入れますよ。いっちょ頼みます団長！」
プツッとマイクに電源が入る。放送席にバラキ先輩が立ち、すうっと息を吸って。
『さぁ皆の者、いよいよ明日だ。
わぁっと歓声があがる。
うぉぉぉ、とさらにいっそう大きな歓声が上がって、いよいよ前夜祭が幕を開けようとしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 310人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ng(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ち遠しいです！ (11月22日 16時) (
レス) @page37 id: 48a8bb30b0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 夢主ちゃんの読み聞かせめっちゃ聞きたい…！絶対いい声じゃん。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page39 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きです！ いつも楽しみにしています！ (10月4日 20時) (レス) @page36 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！！この作品めっちゃ好きなので嬉しいです！！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！次の更新が待ちどうしいです！！！ (8月28日 20時) (レス) id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月28日 0時
