VI ページ23
いただきます。それぞれ自分が今食べたいものを口に放り込んで資料と破顔殺法をする。あらかた覚えられたけど、まだ不安なところがいくつか残っているのだ。
日付が変わる26時まであと6時間。フェネクスは舌で飴玉を転がしながらスケジュールの再確認する。なぜかワルブが一つ多めにくれたので、自分が持ってきた魔ドレーヌにはまだ手をつけていない。
糖分補給の効き目はバツグンだがこん詰めすぎてどうにかなりそうだ。ふと席をたってため息を吐く。
「ちょっと夜風に当たってきます」
「俺も行くよ。夜の校舎を一人で歩かせちゃ危ないし」
「ちゃっかりしてるなぁ。エドちゃん、僕たちも一旦休憩にしようか。君さっきから休んでないでしょ」
「それはお互い様ですよ」
疲れているのはみんな同じようで、しばし休憩タイムが設けられた。フェネクスはワルブと共に放送室を出る。息抜きがてら食べようと魔ドレーヌも持ってきた。
夜の廊下はぼんやりとしたライトに照らされてしんと静まりかえっている。消灯まではまだ時間があるようだ。
「思ったより明るいね」
「な、もっとこう……暗黒大行進みたいなのを想像してた」
特に目的もなくゆったり歩き出した。目的もなく、なのに足が勝手に喫煙所の方向を目指すのはクセがついてしまったせいか。
「タバコ吸う？」
「今はいいかな、飴食べきったばっかりだし」
「じゃあこの辺で涼むか。窓とか勝手に開けて大丈夫かな」
ガラッと窓を解錠する。湿気を含んだ夜風がふわっと吹き込んで心地よい。２人で窓枠に肘をつけば、はぁぁ、と一等大きなため息がこぼれて。
「集中するのってキツいね……」
「俺ら悪魔だしな〜……」
「どのくらい覚えられた？機械の非常マニュアル」
「気持ち66%くらい」
先輩たちの教え方に文句はない。ただ、一度にたくさん詰め込んだせいで一日の情報摂取量をオーバーしている感覚がある。情報を脳内で整理するためにもなるべく新鮮な空気を取り込んでおかないと。
本館から離れた位置にある師団塔では
「そういえばA。今日の当直の先生が誰なのかは覚えてる？」
「えっ、誰だっけ……まさかカルエゴ先生とか？」
「イポス先生だよ」
その名前にふっと息を詰まらせる。ワルブはしてやったりというような笑みを浮かべてこちらを見ていた。
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ng(プロフ) - とても面白いです！次の更新が待ち遠しいです！ (11月22日 16時) (
レス) @page37 id: 48a8bb30b0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 夢主ちゃんの読み聞かせめっちゃ聞きたい…！絶対いい声じゃん。更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (10月30日 22時) (レス) @page39 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ルウ(プロフ) - この作品大好きです！ いつも楽しみにしています！ (10月4日 20時) (レス) @page36 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
おしちゃん(プロフ) - 続編おめでとうございます！！！！！この作品めっちゃ好きなので嬉しいです！！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！次の更新が待ちどうしいです！！！ (8月28日 20時) (レス) id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月28日 0時
