IV ページ5
＿＿深い眠りから覚めた。今度は真っ白な布団の上だった。ガバッと起き上がって窓の外を見るともう真っ暗で、とっくに日が落ちてしまったことがわかる。……最悪だ、どうしよう。
「ん、起きた？」
ふと隣から声がした。振り向くと、今日の二限目で話した記憶のある先生が眠たそうに目を擦っている。確か……そう、精神医学担当のムルムル・ツムル先生だ。
「よかったぁ、君、かなり酷い精神状態だったんだよ。自分の名前は言える？それでここがどこかわかるかな？」
「えっと……フェネクスです。フェネクス・A。ここは医務室ですよね？」
「うん、正解。Aさんをここまで運んでくれたのはイフリート先生だよ。と言ってもわからないかな？アイツ教科担当してないし」
イフリート……また大層な家名が出たなと内心思った。火炎系魔術に長けるフェネクス家だからか、その高名さがとても理解できる。魔界一の火力と純度を誇るあの家系の炎にはどうあっても勝てないからだ。正直とんでもない先生の手をわずらわせたんだなという感想である。
「だ、大丈夫です……わからなくても全力で特定して土下座しに行きます……」
「なんで！？」
「おー、そこまで言われるとなんか恥ずかしくなるなぁ」
ガラッとベランダから黒髪の教師がこちらを覗いた。どうやら外で一本吸っていたところらしい。紫煙を
「い、いいなぁ……本物のタバコ……」
「あれっ、見かけによらず興味ある感じ？わぁるい子」
「こらエイト。一応生徒の前なんだから早く火消して」
「わかってるよ」
携帯灰皿に吸い殻を押し付けて、先生はベランダを閉じる。そしてツムル先生の座っているベッドに腰を下ろすと未だ惚けたままのフェネクスに微笑みかけた。
「ひとまず落ち着いたみたいでよかった。このあとダリ先生とマルバス先生が様子見に来てくださるから、それまでゆっくり休んでて大丈夫だよ。なんならそれまでお話しとく？」
「おっ、いいじゃんそれ。Aさん、こちらイフリート・ジン・エイト先生。あんまり生徒に名前知られてないの気にしてるから覚えてあげてね」
「ツームールーせーんーせーい？」
「痛い痛い痛い、横腹つまむなバカ！！」
先生たちの取っ組み合いに思わずあははと笑みをこぼす。すると二人は気恥ずかしそうに手を下ろして苦笑いをするのであった。
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おもちやよ〜 - ごめん。控えめにいって神です (8月24日 1時) (
レス) @page42 id: 366c5c0809 (このIDを非表示/違反報告)
fill kuura(プロフ) - ラダセン出てくるの最高でした！大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月20日 18時) (レス) @page36 id: d205f07b19 (このIDを非表示/違反報告)
らぴ(プロフ) - も、もしかしててて…！つむせんヤンのデレですか…！？ありがとうございますｺﾞﾌｯ (8月16日 21時) (レス) @page31 id: dcebd836c6 (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - 更新ありがたいです！夢主ちゃんに絆されてるイチョウ先生も良きですねぇ！いつも楽しませてもらってます！ (8月16日 3時) (レス) @page31 id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - エイト先生とイチョウ先生の手合わせ、。やばい。次が楽しみです！！更新待ってます！！ (8月7日 23時) (レス) @page20 id: 1a0bf65f30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月2日 19時
