IV ページ33
ツムル先生の手がフェネクスの頬へと伸びる。フェネクスはただ呆然として抵抗の一つもできないでいた。頭で危険信号は鳴っているのに、どうしても拒めなかったのだ。だって、こんなの知らない＿＿
「"
パチンと音がした。途端に浮遊感に包まれ、思わず後ろに倒れかけたところを片腕で抱き寄せられる。
「まっったくこのバカツムル……！だから言っただろ、大人しく休めって！！」
「なんっ、イチョウ先生！？」
「お前もお前だよA！心臓止まるかと思ったじゃないか！」
酷く焦った顔で悪態つくイチョウ先生がそこにはいた。グッと腕に力が込もって、何がなんでもフェネクスをツムル先生に近付けまいとしている。
「間に合いました？」
そこへダリ先生が顔を覗かせた。約束通りのお迎えに来てくださったらしい。
「本当にギリギリ、未遂です」
「なら良かった。なんにもされてないよね？Aちゃん」
「は、はい……」
しかし、これは一体？全て目の前で起こっていることのはずなのにイマイチ状況が読めない。何やら込み入った事情があるようだが……と、今一度ツムル先生の様子を伺う。
先生は行き場のなくなった手を見つめたまま、ただ黙って立ち尽くしていた。
「ムルムル先生、これでご自身の状態がよくわかったでしょう。早急寮に戻って休養をとりなさい。これは上司命令です」
「行くよA」
講義室から踵を返して出ていく先生たち。
「……
フェネクスはそれだけ言い残すと、駆け足で二人のあとを追った。
着いたのは喫煙所。それもそうだ、ダリ先生との約束はタバコの譲渡だった。……しかしダリ先生はさも当然かのように懐から一箱取り出して一服し始めたではないか。
「先生、タバコ置いてきたんじゃ」
「あー、あれ嘘だよ。というか僕そこそこ教員歴長いけど、こんなに大事なライフラインを忘れたことはないよ？」
「……つまり？」
「わざとらしい言動も含めてぜーんぶこのための建前だったってワケ」
「それに私はまんまと騙されたと！」
「そういうこと。でもおかげで助かったでしょ、さすがに僕も居場所がわからなかったら出せる指示も出せないからね。イポス先生もよく間に合わせてくれましたよ」
「同僚の首はなるべく飛ばしたくないので。……ほんと、文字通りの医者の不養生とか笑えませんよ」
「あの、お二人とも。もしかしてツムル先生って……」
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おもちやよ〜 - ごめん。控えめにいって神です (8月24日 1時) (
レス) @page42 id: 366c5c0809 (このIDを非表示/違反報告)
fill kuura(プロフ) - ラダセン出てくるの最高でした！大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月20日 18時) (レス) @page36 id: d205f07b19 (このIDを非表示/違反報告)
らぴ(プロフ) - も、もしかしててて…！つむせんヤンのデレですか…！？ありがとうございますｺﾞﾌｯ (8月16日 21時) (レス) @page31 id: dcebd836c6 (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - 更新ありがたいです！夢主ちゃんに絆されてるイチョウ先生も良きですねぇ！いつも楽しませてもらってます！ (8月16日 3時) (レス) @page31 id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - エイト先生とイチョウ先生の手合わせ、。やばい。次が楽しみです！！更新待ってます！！ (8月7日 23時) (レス) @page20 id: 1a0bf65f30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月2日 19時
