�� ページ17
「＿＿それで？わざわざ俺のところまでタバコ吸いに来たわけじゃないだろう」
ふっと真面目な顔になってイチョウ先生はフェネクスと目を合わせた。……身長差のせいで見下ろされているのが気に食わない。備え付けのベンチに腰掛けて隣をベシベシ叩くと、はいはいとそこに腰を下ろしてくれた。
灰皿に吸殻を押し付ける。そしてフェネクスも真面目な声色で先生に向き直った。
「ツムル先生の紹介で来たんです。私の家系能力のことで相談がありまして」
「あぁ、アイツの差し金か。フェネクスの家系能力については一応聞いてる。わざわざ相談相手に俺をオススメするってことは、おおよそ使い道とかそういう話なんだろうけど……俺は精神系からっきしなんだよね。それでもいい？」
静かに首を縦に振る。
「よし。ならまずは簡単な想像をしてみようか」
「と、いいますと？」
「仮にお前が戦場で指揮官を任されているとしよう。自軍と敵軍の戦力は同等、全員近接に特化している。さて、敵軍が真正面から一斉に攻めてきた場合、最も勝率が高いと思われる対抗策は？」
「同じく真っ向から全軍で応じる。下手に戦力を分散させれば押し退けられてしまう可能性が出ますから」
「そうだな。では激しい交戦を繰り広げるなか、敵軍に援軍がやってきた。どうやらその中には弓使いもいるらしい。この場合お前ならどんな指示を出す？」
「……周囲に警戒するよう命じます。あるいは魔術で防御壁を張れ、とか。その上で見つけ次第即刻無力化させます」
「まぁ一般的な回答だな。だがよく考えろ、弓使いの代表格といえばバルバトス家だ。それを踏まえてお前の策が有効だと主張できるか？」
バルバトス家。魔谷大戦 三大英雄の一族。飽き性な悪魔には不向きといわれる弓を扱う家系で、その腕前は百射百中と謳われる。すなわちバルバトス家の放った矢は
「見つけ次第即刻無力化、それは間違っていないがその前にお前が討たれでもしてみろ。……『弓使いがいれば戦況は一変する』とはそういう意味だ。この場合に求められる指示は必ず"弓使いがいるとわかった時点"で相手を"確実に"無力化させられるものでなくてはならない」
バツンッ。空想の自分が矢に貫かれているのを想像してしまって、ちょっと気分が悪くなった。まったくもってぐうの音も出なかった。
とはいえ、この条件下でどうしろと……？
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おもちやよ〜 - ごめん。控えめにいって神です (8月24日 1時) (
レス) @page42 id: 366c5c0809 (このIDを非表示/違反報告)
fill kuura(プロフ) - ラダセン出てくるの最高でした！大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月20日 18時) (レス) @page36 id: d205f07b19 (このIDを非表示/違反報告)
らぴ(プロフ) - も、もしかしててて…！つむせんヤンのデレですか…！？ありがとうございますｺﾞﾌｯ (8月16日 21時) (レス) @page31 id: dcebd836c6 (このIDを非表示/違反報告)
ひのや(プロフ) - 更新ありがたいです！夢主ちゃんに絆されてるイチョウ先生も良きですねぇ！いつも楽しませてもらってます！ (8月16日 3時) (レス) @page31 id: cd87d954a1 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - エイト先生とイチョウ先生の手合わせ、。やばい。次が楽しみです！！更新待ってます！！ (8月7日 23時) (レス) @page20 id: 1a0bf65f30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名希望:我妻さん | 作成日時：2023年8月2日 19時
