マネージャーになってよかった (ページ20)

今日:33 hit、昨日:68 hit、合計:73,726 hit

. ページ20

.

ブラジル戦前日の夜。

緊張も少しはあったが、部屋でのんびりしているとAが訪ねてきた。

『今平気だった…？』

｢平気だよ、どうかした？｣

Aの手元にはパソコンとノートが。

多分データを伝えに来たのだろうと予測を立てた。

『ブラジルの選手のデータを伝えに来たものあるんだけど、今みんなの部屋回ってて…』

｢えっ、みんな？｣

かなりの選手数がいるから、それを全員分回るAはかなり凄い。

『これまでのポイント数とか、いい所とか…逆に、明日気をつけた方がいいこととか伝えてるの』

｢すごいね〜……で、次が俺の番だと…｣

『祐希は長く一緒にいたかったから最後に来ました』

なんて、可愛すぎることを言いながら笑うから緊張も一気に解れた。

｢可愛いことを言うなっ｣

軽くぺしっとデコピンをすると痛っ、とこちらを少し睨む彼女。

まあ…睨めてないんだけど…笑

『祐希は後半に畳み掛ける感じでお願いしたいの』

｢後半に？｣

『明日は宮浦くんを入れて…後はスタメンって感じで行こうと思ってて』

｢藍と健人、ミドルで攻めて、後半で俺が…って感じ？｣

『そう！ただ…相手もデータ取ってると思うから、藍くんも宮浦くんも対策されて…祐希が攻める番がすぐに来る可能性が高くて……だからその時はね…』

そうして俺達は真面目な話し合いを行った。

Aが提案する作戦はどれも説得力がある上に確実だった。

俺たちじゃ思いつかないような作戦。それを作り出すのがAで…

本当にすごい。世界最強のマネージャー、なんて2つ名が着くのも納得だ。

ネーションズリーグ第1周が終わってからAはさらに注目を浴びた。

恐らく、今回の第2週が終わるともっともっと人気になるだろう。

アジア選手権の時にはとんでもないことになりそう……あーー、俺としては嬉しくもあり、嫉妬心もあり…。

『ふぅ……疲れたーー…久しぶりにこんな長時間パソコンの画面見たかも笑』

｢お疲れ様。ありがとね、ほんと。｣

そう言って頭を撫でると、えへへ…と言って少し照れるAは一生守りたい。

『祐希のメガネ姿また見たいな〜？』

｢それは〜…ミーティングの時にね笑｣

正直、メガネ姿をカメラで撮られて自分で見てからはメガネをつけるのが少し恥ずかしい。

Aのメガネ姿が可愛すぎてそれどころじゃない時もあるけど。

『我慢しまーす…』

｢はーい、えらい。｣

そう言って再び頭を撫でた。