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山さんは''軽い軽い''って言って余裕の顔で私を運んでくれた。
リュックの分もあって、少しは重いはずなのに…。
さすが山さんって感じする……
祐希のことも、山さんのことも考えて、あんまり寄りかかる訳には行かなかったけど
体がだるすぎて少し寄りかからせてもらった。
後で謝ろう…
山内｢来たよ〜…この子背負って｣
太志｢やっと来…Aどしたの！？｣
山内｢街中でフラフラになりながら走ってたから、事情聞いたら体調不良。｣
『…ごめんなさい……』
山内｢俺は休めって言ったけど…まあ、聞くわけないよね…。｣
太志｢うちのAがお世話になりました｣
山内｢はいよ〜、じゃあこの子はあそこでめっちゃこっち見てる彼氏さんに引き渡そうか。｣
山さんと太志兄が見てる方を向いたら、
びっくりした表情なのか、心配してる表情なのか分からない顔をした祐希がいた。
石川｢っと〜…体調不良？｣
山内｢そうそう…｣
山さんが祐希に説明してる。
あ〜…祐希に叱られる〜……
説明し終わったのか、私は太志兄にぬいぐるみを持つみたいに両脇を持たれて
祐希の元へと引き渡された。
身長差ありすぎて太志兄達から見たら私はぬいぐるみなんですよね。
んな訳分からないことを考えてると、祐希が話しかけてきた。
石川｢無理しないでって俺何回言ったかな？｣
『……これで、21回目…』
石川｢なのに無理したのは？｣
『私です…』
石川｢俺たちを思ってくれるのは嬉しいけどね、A倒れたら俺悲しいな｣
『存じております…』
祐希は一旦練習を止めて、私を連れて椅子に座らせ、目線を合わすためにしゃがんでくれる。
優しいんだけど…圧をかけながら話してくるからちょっと怖いです…
石川｢しかも、ジャージ着てないじゃん…｣
私が極度の寒がりなことを知ってる祐希。
いっつも少しでも寒げな仕草を見せたら心配してくれる。
『時間なくっ……て…』
体が温もりに包まれた。
え？っと思って見れば、祐希のジャージが肩にかけられてた。
石川｢さすがにでかすぎるかな…？｣
私が悪いのにこうやって気遣ってくれるところ、本当に好き。
『大きい方が、あったかいし安心感あるよ…！』
石川｢Aが俺のジャージ着てるの、絶対可愛すぎて耐えれる気しないけど…。｣
『これで祐希にずっと抱きしめられてる感覚になれるね〜』
石川｢ったく…ほんとにこの子は！！｣
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作者名：すずきもち | 作成日時：2023年10月29日 3時
