一ノ瀬家の日常２ (ページ7)

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亜嵐side

主任「村野の親御さん、この間離婚しまして」

涼「離婚…」

”離婚”というワードを聞いて、空気重くなる。

主任「言わない方がいいと思って言ってなかったが
村野はこの前俺に話に来たんだ。

お前に傷つく言葉を言われたと泣いてたぞ」

『私、何も言ってません！』

主任「平気な顔で嘘をつくんだな、お前は。
親御さんのことを悪く村野に言ったんだろ」

『…っ、』

言ってないことなんてわかってる。

Aの頬から流れた涙と顔を見れば、Aが嘘をついてないことなんてすぐわかる。

主任「簡単だろ、村野にお前が謝ればそれでいい。

今1番辛いのは村野なんだ」

こんなの皆我慢の限界だった。

静かに涙を流すAを見て、許せなかった。

亜「いい加減に、「なんで分かるんすか」」

口を出したのは今まで静かに座ってた玲於だった。

玲「なんで誰が1番辛いとか分かるんすか」

主任「そんなの、話を聞いてたらわかるでしょう、

村野は親御さんが離婚して、妹さんにも悪口
を言われ、それでも毎日学校に来てる」

玲「だからって村野さんが1番辛いんすか？
こいつは1人で学校に行きたくないことを抱えこ
んで我慢してたんです。
十分辛かったと思います。

だいたい妹が悪口を言った証拠があるんすか？
俺はこいつが悪口を言ったとは思えません。

こいつは確かにわがままだけど、友達を傷つけ
るような奴じゃありません。

こいつは俺に村野さんに悪口を言われたと言い
ました。俺はこいつを信じます。」

主任「…だからなんですか。
正直、妹さんが学校に行きたくないというの
は、ただのわがままだと思いますが」

玲「ふざけんな。
こいつが辛くないとかお前が決めんな。

俺らよりもAの方が親のいない寂しさを
知ってる。

小さい頃から親が近くにいなくて寂しかったは
ずなのに、寂しいって言葉ひとつ言わず頑張っ
てる。そんな奴が親がいなくなった人の悪口言
うわけねーだろ」

主任「…」