君が歌い、僕が描く。 (ページ8)

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………いやいやいや、やっぱ付き合ってる？
でもそうやとしたら流星が気まづいだけやしな。なんて呑気な考えをしている間も彼らは口を動かしていた。

「神ちゃん、まずは自己紹介やろ？」

「あ、そっか！俺は神山智洋！舞台芸術学科でダンサー目指してる！」

「俺は、重岡大毅。演奏クラシック学科でピアノとギターの専攻取ってるねん。」

2人共すごい。それが俺の第一印象やった。バンドやってる時はなんの楽器なんやろ。しげってひとはギターっぽいけど、神ちゃんって人が想像つかへん。あ、俺も自己紹介せな

「小瀧望です。総合デザイン学科で、デザイナー目指してます」

「じゃー、のんちゃんやねっ！よろしく、のんちゃん！俺のことは神ちゃんって呼んで！」

「あ、はい！よろしく、神ちゃん！」

「俺は、しげでええよ。よろしくな」

「はい、よろしくお願いしますっ！」

そういって2人が差し出してくれた手を俺は交互に握り返した。話をすれば、流星と同い年らしくて俺と同級生だった。神ちゃんはしげよりも、絵の才能があるけど親が海外で仕事をしている為に、家の兄妹の世話とダンサーを目指してるからダンススクールに加えて学校がある為、忙しくてフライヤーを作る時間が無いねんと困ったように笑った。しげに至っては、絵の才能が全くない上に、作詞作曲もしているからそっちに集中したいのに流星とじゃんけんをして負けたせいでフライヤー担当になったから何か良い案が無いかと考えたけどあの熊しか思いつかんかったらしい。………3人とも個性的やな。

「あ、ちなみに流星は総合映像学科でデジタル写真と舞台美術の専攻やで。」

「流星が撮る写真とか、流星が作った舞台のセットってほんまにすごいからいつかのんちゃんにも見してあげたいな〜｣

「うん、そうやな。って神ちゃん！そろそろライブのリハやで！！」

「あ、ほんまや！行かんと！」

「じゃあ、のんちゃんまたねっ！」

「気が向けば見に来てな」

「あ、はい！」

そういって第一音楽ホールへと向かっていった2人の背中を眺める。流星の写真とかセットってすごいんや…。今度見てみたいなとか柄にも無いことを思っている俺。ふと腕時計を見ると次の授業がもうすぐ始まる時間で俺は教室へと足を進めた。

「………やっぱ可愛ええよなぁ」

第1音楽ホールの窓から流星がそんなことを言いながら俺を眺めてたことなんて俺はまだこの時は知らなかった

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