君が歌い、僕が描く。 (ページ4)

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そのまま軽く話せば、彼はどうやら俺と同い年だった。
サークル活動としてバンドをやっているらしい。
そして、一言パソコン壊してほんまにごめんと謝られた。許せるかと言われたら危ういけど。そんな事よりも気になることが俺にはある

「…あのさ」

「ん？」

「ずっと、思ってたこと聞いてええ？」

「え？別にええけど」

「何であんなに喧嘩してたん？」

あの時の会話からして後のふたりはバンドメンバーなんやろう。でもなんであんなにも喧嘩していたのか単純に気になった。彼にそう問うと気まづそうに目線を逸らして頭をポリポリとかいた。逃がさんぞとでもいうように目をじっと見つめれば小さく口を開いた。

「…………フライヤー」

「え？」

「………しげが作った今度やるライブのフライヤーが納得いかんくて」

しげというのはあの時言い争っていた髪の黒い人のことだろう。…とそれは置いといて、、

「え、それだけ？」

「それだけやないわ！！俺にとっては大事なことやねん」

「そうなん？」

「当たり前やん」

そう言えば彼は、”だって、毎回こんなん作ってくんねん”そう言って机の上にあった紙を手に取りそれを渡してきた。………確かにこれは納得いかんかも

「………」

「ってなるよな。分かるで」

そのフライヤーはよく分からない熊の絵が描かれていてあとは普通にライブの日程を描かれているだけだった。

「毎回こんなんなん…？」

「まあ。お陰でライブに新規の人があんま来んくなってさ。しげのやつ、今日も似たようなフライヤー作ってきたから。」

「……ふーん。」

そういってそのフライヤーを眺めていると彼は、俺の課題に目をやった。…なになになに。そんなじとってみて

「これ、あんたが作ったんやんな？」

「…いや、そうに決まってるやろ」

「……いける」

「え？って、ちょ！」

そう言えば、彼は俺の肩をガシッと掴んで希望に満ち溢れるような瞳で俺を見つめて言葉を放つ。

「俺らのライブのフライヤー作ってや」

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