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「え、それって付き合ってんの？」
「は、んなわけ。好きとか言われてないし」
「やとしたらそいつ大分やり手やん」
お客さんも来ない夜の時間帯、バイト仲間である勘が鋭い大吾に”のんさん、最近良いことあった？”なんて聞かれてそのまま流星の話をすれば冒頭の返事が返ってきた。
「そこまでしてて、好きとも言われてないん？」
「うん、全く。なーんも。」
「帰り道に手を繋がれて？？」
「…、はい、…」
「挙句にその前に俺のもんにならん？って言われてんやろ」
「うん、でもあんなん流星の中ではおふざけやと思う」
「いやいや、おふざけでも俺はおおにっちゃんにそんなこと言いまへんで」
「そやけど…、てか、大吾もそろそろ告白してあげなや。好きなんやろ？そのおおにっちゃんって子の事。」
バイト仲間の大吾は、お客さんとしていつも来る大吾より3つほど年下であるおおにっちゃんという子から好意を抱かれている。その決定的証拠として大吾がその子のレジ担当をしてたら、その子は顔を紅く染めて電話番号付きの紙を大吾に渡している所を俺は目撃していたからだ。
「…あれ？言うてなかったっけ？もう付き合っとるよ」
「は！？！？いつ！？え！？」
「1週間前？？俺がおおにっちゃんに告白したんよ」
「…やるなあ、大吾」
そういえば大吾は、”まあ、好きやから”なんていってドヤ顔をした。ええなあ、大吾こう見えとも漢やからやる時はやるんやなあ。
「で、のんさんはその流星？って人のこと好きなんやろ？」
「えっ、？いやわからん…」
「え、自分で気づいてないん？そんなん気にしてる時点で好きやん」
「え、そうなん？」
「…はぁ、のんさんこういう所は鈍感やねんな」
”え、俺って鈍感なん？”なんて大吾に言えば呆れたような顔で口を動かし続けた。
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作者名：夏空
| 作成日時：2023年7月9日 20時
