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結局、あの後恥ずかしくなってそのままダッシュで逃げてもうてフライヤーの返事も出来んまま数日が過ぎた。今、流星と会ったらあの言葉を思い出すからだ。ぱっと左手を広げればそこには流星の電話番号が書かれたピック。あれから勇気が出ずに、1度も掛けれてなかった。でも、今は何故か勇気が出て掛けようって、思った。
”はい、もしもし”
「………あの、俺やねんけど…」
”はい…？あ、まって、望！？！？”
「…うん、望」
そういえば流星は電話越しに、”あーやば、めっちゃ嬉しい掛けてくれた！！”とか言ってめっちゃはしゃぎ出した。もう、なんなんなんでそんな喜ぶねん。
「……流星に、伝えたいことあって」
”え、なに？”
「………今更やねんけど、流星のライブめっちゃよかった。」
”え、ほんまに？ありがとう。嬉しいわ〜”
「……それでさ、…」
”うん？どしたん？”
「……俺でいいんやったらフライヤー作りたい」
そう言えば流星は黙り込んだ。え、なになになに。とか思ったけどその後すぐに”えぇ！？！？まじ！？！？”なんて大きな声で興奮してるのが電話越しでも伝わってきた。
”え、まって、ほんまに？”
「うん、ほんま。」
”えー、めっちゃ嬉しい。あ、でも欲を言うなら”
「え、なに？怖い怖い」
”望に直接言うて欲しかった。やったら抱きしめれるやん”
「は、はぁ！？恥ずかしいから嫌ですっ！」
そんなん直接とかなんか照れくさいやん。しかも、今流星に会ったら思い出してまうし！！
とか思ってたら電話越しの流星は”えー、でもやっぱ直接言うてほしいやーん”なんて言いながら駄々こねはじめた。なんやこいつ。なんて思うけどなんかそれが愛おしくて、公園のベンチで電話をかけた俺はそのベンチに寝転がり、流星の電話番号が書かれたピックを空に掲げるように眺めていた。
”……やっぱ、直接言うてや”
「恥ずかしいから無理」
なんて言えば突然視界が何かに覆われる。そして掲げていた手を掴まれてそのまま下に降ろされてギュッと握られた。その正体は、さっきまで電話していた流星だった。流星はそのまま携帯を耳から話して一言。
「ほら、直接言うてや望」
「、えぇっ、！？！？」
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作者名：夏空
| 作成日時：2023年7月9日 20時
