君が歌い、僕が描く。 (ページ2)

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思わず項垂れていた顔を上げた。見てみるとそこには俺が頼んでいたコーヒーが見事に俺のパソコンに。どうやらさっきのヤツらの中の一人が俺の机に当たってその衝撃でコーヒーが溢れてこうなったらしい。俺は固まることしか出来なかった。enterボタンを押してもパソコンは何も反応しない。壊れた。終わった。詰んだ。

「あ、ごめん」

ごめん…？その一言で俺が許せるとでも。
課題に追われていた俺は思わず机をバンと叩いて立ちその人に刃向かった

「ごめん！？！？俺！学生！課題ある！！パソコン貴方のせいで壊れた！課題できん！」

「あ、え、」

「だいたい！？こんなとこで喧嘩せんで！？あと！人が作ってきたものに文句いうならまずお前が作れ！！作られへんのなら文句言わんとアドバイスしろ！！！」

「え、あ、…え？」

「…………失礼します。」

…言いすぎた。そう思って鞄だけを持ちそこを出ようとした。チラッとさっきの3人組の仲介者の人を見るとよく言った！とでも言うように俺にグーサインをしてもう一人の人は頭を下げてくれていた。言われた本人はその場で固まっているが。とりあえず逃げよう。その一心で俺は颯爽に外へ出た。って外に出たのはいいもののパソコンをそのまま置いてきてしまった。かといって今から戻るのはなんだか恥ずかしい。一旦家に帰ろう。そしたら彼奴らも居ないやろう。そう思って3時間ほど昼寝をしてもう一度あの店へ向かった。店のドアを開けると昔から仲良くしてくれてたオーナーの照史が笑顔で出迎えてくれた

「お、のんちゃん。あ、忘れてたパソコン？」

「ごめん、めっちゃ忘れてた笑あ、照史さっきはごめんな？大声出してもうて。」

「俺は全然ええねんけど……あれ笑」

照史が苦笑いして席を指さすもんやからそこに視線を向けたら衝撃的な光景が目に映った。

「……え、え、なんで？」

「……あ、きた」

そういって俺の元に歩み寄ってくる人は紛れもなくさっき俺が怒鳴った彼奴だった。ズカズカと俺の目の前まで来たと思ったらじっと俺の目を見つめる。そしてそのまま口を動かした

「……ちょっと来て」

「え、え！？！？」

「はっは！いってらっしゃーい」

「ちょ、照史！？！？」

そういって俺の手を強く掴んで彼はそのまま足を動かす。その光景を腹を抱えて笑いながら見ている照史に助けを求めても、行ってこいとでもいうように手を振っていた。そして俺は、されるがままに彼について行くしか無かったのだ。

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