君が歌い、僕が描く。 (ページ1)

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学生にとっての最大の敵。それは課題だ。
そして今俺は、猛烈にその強敵に悩まされている。昔からデザイナーになるのが夢で、自分のデザインに誰もが見惚れてくれて、男の人でもカッコイイとか、気分が高鳴るようなデザインを作るのが俺の目標。

「とか思ってるけど全く良い案が浮かばんのよな」

明日に迫っているその課題は、1年になってから初めて展示されるやつなのに俺は全く手が進まない。教授から”絵の中に小瀧くんの真面目さが描かれてるような気がするんよね”なんて言われて俺は軽くショックを受けた。

「…そんなに俺って真面目なんか」

入学した当初から、ずっと1番になりたくて毎日毎日アイデアを考えて、それを絵に表してって繰り返してた。でもいつしかそれが裏目にでて周りから言われるのは「俺の真面目さが出てる」「なにか面白味が足りひん」とか否定的な事ばかり言われてた。実際今俺はスランプになってるし、その時はそんなわけないって思ってたけど今となってはその通りよなと思えるようにまでなり始めた。ため息をついて、少し休憩しようと頼んだ珈琲を1口飲んで机に項垂れた時、それは唐突に起こった

「やから、これじゃあかん言うてるやん」

「そんなん言われてもどうすんねん。俺デザイナーでも無いんやから無理に決まってるやん」

「もう！こんな時に言い争いせんで！」

「やって俺が求めてるのはこれちゃう。」

「じゃあ、自分で作ればええやん」

……こんなとこで喧嘩せんといてくれ。俺は！今！課題をしてるんや！！！！！！！喧嘩なら外でしてくれ！！おい、仲介者！もっと止めてくれ！！

「はあ、もうええわ。また新しいの作ってきて」

「ちょ、流星！ちょっとまちいな！」

「…もう、なんやねん」

「……おわっ、」

「え？」

ｶﾞｼｬﾝﾊﾞｼｬﾝ

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