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蓮のせい？
「どういうこと？」
中１の時のような意味かと思った。
でも、違うと、私をまっすぐ見る蓮の瞳が訴えていた。
「康二に気付かれた...というより見られた。
A、俺の夏休みの宿題手伝い終わった後、寝落ちしたでしょ」
「うん」
「その時、
俺、お前にキスした。
それを康二が見てた」
.
理解が追いつかない。
キスのことを謝ってから蓮は、さらに康二の過去も話した。
孤立した経験があるから友情を取った、そんな康二を責めるなんて出来なかった。
それに、康二に嫌われたわけじゃないんだと安心した自分もいたけど、
.
「A、ごめん」
「...」
「俺、
Aが好き」
「蓮...」
「康二のこと黙ったまま隣にいるとかズルいことしてごめん。
でもAには、ずっと俺の隣にいてほしい」
「蓮...」
「待ってる」
.
蓮からそんな言葉を聞くなんて思っていなかった。
いつからそんな風に思ってくれていたんだろう。
男女の友情なんて信じないと多くの人は言う。
ただ、みんなが信じてないそれを、私たちは信じてた。
他でもない、私と蓮の関係が信じる理由だったから。
だけどその関係はいつからか、信じない理由へと姿を変えてしまった。
何で...。
でも、何とも思ってないフリして、ずっと一人で抱えていたんだと思うと、蓮への申し訳ない気持ちが募る。
私に全て打ち明けてくれた翌日からも、蓮はそのことには触れず、変わらず、隣にいてくれた。
登下校も相変わらずで。
.
"めめがおるからどうとかじゃなくて、AはAやん"
"俺と付き合わん？"
私に恋を教えてくれた康二と、
"助けるとか当たり前じゃん"
"待ってる"
ずっと一緒にいてくれた蓮。
ちゃんと考えて、答えを出さなきゃいけないと思った。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2021年9月19日 23時
