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色んな写真を眺めながら探す私たち。
素敵な写真ばかりだなと思っていたら、
「あ、あった」
康二くんが、とある方向に指差した。
70代ぐらいの老夫婦が写っている。
2人は笑顔で手を繋いで歩いていて、
両サイドの葉桜になった桜の木々も、2人を見て微笑んでいるみたいだった。
そしてその写真の下に、タイトルが記されていた。
『来年も』
.
「…A？大丈夫？」
「うん、…ごめん、すごく感動して…」
私の瞳が潤んでいることに気付いた康二くん。
写真を見つめ続けると、もう涙は外へ流れていた。
「素敵だね…」
「ありがとう。どういう写真なんか説明せんでも伝わってんなら、それ以上に嬉しいことないよ」
優しい言葉にまた感情が溢れてくる。
自惚れでもなんでもない。
康二くんは、私への思いもこの写真に込めてくれたんだよね。
桜と、素敵なご夫婦。
康二くんらしさ、優しさがたくさん詰まっている。
康二くんの写真をカメラに収めてからも、他の人の迷惑をかけないように私は目に焼き付ける。
「ほらもうええよ、いっぱい見てるやん」
「ううん、この写真好きだから」
「嬉しいけど恥ずいなあ」
康二くん。ありがとう。
こんな素敵な写真を見せてくれて。
絶対に、絶対に忘れない。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2024年2月1日 16時
