ふたり(橙) (ページ26)

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"最終選考結果のご連絡"

スマホにその文字が目に入った。

一気に緊張してきたけど、置いても結果は変わらないと思って、深呼吸してそのメールを開く。

「…合格…！」

間違いなくその二文字が、メールに記されていた。

嬉しさでいっぱいで涙が出そうになる。

康二くんには昼休みに電話をかけて報告しよう。

すると、またスマホが鳴った。

.

ーお久しぶりです

.

「もしもし、康二くん？今大丈夫？」
"おん、今昼休み！どうしたん？"
「この前面接受けた会社、受かってた…！」
"えーほんま！すごいやん！よかったやん！"

電話口から聞こえる康二くんの声は私より一段と大きく感じて、それが嬉しくて思わず微笑む。

「あ、あともう一つ言いたいことがあって」
"ん？"
「今日、前の会社の先輩だった人から、久しぶりに会えないかって連絡来たんだ」
"うん"
「あの環境の中で唯一よくしてくれた人だからそうしたいなって思ってて。
お世話になった人で、それ以上でもそれ以下でもないんだけど、男の人だから一応康二くんにも先に伝えておくね」

"了解！わざわざ言うてくれてありがとうな"

康二くんは嫉妬しているような感じもなくそう返事してくれた。

先輩と会う日時を伝えた後、康二くんが続ける。

"ほなその後、俺の家でAの内定祝いせん？"
「え、いいの？」
"めでたいことやから！手料理とか振る舞うで楽しみにしといて。
でもその日仕事あるから、後で家の住所送るしマンションの前とかで待っといてくれる？"
「分かった。ありがとう」
"ほんまにおめでとう"
「ありがとう。じゃあね」

そう電話を切り、私は先輩に「是非お会いしたいです」と文字を打った。