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「やった…！」
帰省から東京に戻った数日後。
行きたいと思っている会社のこの前の面接の結果が返ってきて、無事通過していた。
「次が最後か…」
自分のことを少し認められたような気持ちになる。
向井さんに知らせよう。
.
"年齢制限で今年がラストやから、特に気合い入ってんねん"
やっぱり忙しいかな。
向井さんにとって今年がどれだけ大切なのか、想像は出来る。
立ち止まって、結局連絡する手を止めた。
.
それからまた数日後。
最終面接を間近に控えた私は、カフェで一人対策をしていた。
まだ本番じゃないのに緊張してくる。
落ち着かせるためにコーヒーを口にすると、
「Aさん？」
「岩本さん」
向井さんの上司の岩本さんと遭遇した。
「お疲れ様です。勉強ですか？」
「はい。今度面接があって、その準備に。岩本さんは？」
「取引先との打ち合わせまで時間があって、暇をつぶしたいなと思って」
「お疲れ様です」
隣のカウンター席に岩本さんが座り、注文を終える。
「そういえば、康二と付き合うことになったんですよね？」
「え？」
思わず岩本さんの方を見る。
「あ、はい実は…」
「ふふふっ。康二とおんなじリアクションしてますよ」
「えっ？何か恥ずかしいです」
そう言うと岩本さんはまた笑った。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2024年2月1日 16時
