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ほんの少しだけ寝て、また仕事。
電車内で「また電話するね」と半分義務感のような気持ちを隠しながらメッセージを送って、また僅かな間眠りについた。
「お前らもう帰っていいぞ。明日休みだしな」
上司にそう言われたのは、その日の夜9時半を回ったところだった。
そして、
「その代わり明後日は朝7時までに出勤な」
配慮したつもりなだけの言葉に、自分を守るために何も反応せずにいると、
「おーいA」
「…あ、はい」
「返事ぐらいしろよ、上司が気遣ってんだから」
「…すみません」
「お前みたいなの雇ってくれる会社ここしかねえんだから」
周りへの見せしめのためにこうして使われるのも初めてじゃない。
また、何にもならない笑顔を浮かべた。
.
急に目が覚める。
昨日のままの服。何にも満たされてない体。
ご飯もお風呂も、何にもする気力が残ってなくて、気絶したように昨日の私は寝てしまっていた。
流石にシャワーを浴びてから時計を見ると、早朝の時間。
また寝ようかな。
ただ、空は晴れていて、
不意に思い出した。
.
会社までのルートなのに行かなくていいことが心を楽にしてくれる。
あの日よりもさらに少しだけ彩られた木々。
ていうか何で私、
やっぱり今日は帰って、滅多にない休みは寝たほうがいいかも。
.
「お姉さん？」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2024年2月1日 16時
