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そんな事情があって、俺はテスト1日目の1時間目の数学をすっぽかした。
周りが終わった終わったと浮かれている中、週明けの月曜日に追試になった。
「ふっか頑張れよー」
「おつー」
「うるせえ」
友達に軽口を叩かれながら、追試の教室へ向かう。
ガラガラッ。
…うわ、
いたのは渡辺1人。
あー気まず。先生まだなのかよ。
そんな願いを嘲笑うかのように、重苦しい空気だけが流れる。
時計の秒針の音を聞いたのも久々か初めて。
…ああ、もう面倒。
.
「…渡辺だよな？」
「…」
いや、何か喋って？
流石に独り言ではないでしょこれ。
「…あ、覚えてなかったらいいんだけど、」
「そうだけど」
怖い気まずい怖い気まずい。
「中坊の喧嘩とかいう黒歴史を刻んだ渡辺です」
「…」
「…ふはは、」
堪えていたものが溢れ出したようなゲラ笑いが止まらないから、
俺も思わずフッと笑った。
「どうもどうも、中坊の喧嘩とかいう黒歴史を刻んだ深澤です」
「繰り返すな」
「てか何でいんの？」
「それはこの教室にってこと？それともこの高校にってこと？」
「後者だと長そうだから前者で」
「いや普通に赤点だからだろ」
「あ、」
そう言うと「気まずそうな反応すんな」とツッコまれる。
もしかしてこいつ、
絡みやすいタイプか…？
するとドアが開いた。
ただそれは、前のドアじゃなく後ろのドアで。
その方向を見ると、
あの優しそうな女の子だった。
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キキララ(プロフ) - さあさんさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたんですね😊作者としてたいへん嬉しいです！ありがとうございます✨ (5月1日 9時) (
レス) id: 16c60907ce (このIDを非表示/違反報告)
さあさん(プロフ) - 面白くて一気に読み終えました。情景が浮かんでキュンキュンします。。 (5月1日 7時) (レス) @page46 id: a428b66a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年11月19日 17時
