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翔太にも、
いや誰にも発したことのない低い声が、自分から出ていた。
「何してんの？やっていい事と悪い事ぐらいあんでしょ」
「…うん、だよな」
「ほらそういう所」
「え？」
「まじで悪いって思ってないじゃん。お前Aさんに何してくれたんだよ」
また俺、嘘ついてる。
Aさんのために言ってるんじゃない。自分のため。
翔太の行動で腹が立った自分のために言ってる。
「思ってるよ、本当に。めちゃくちゃ後悔してる」
翔太は俺に驚きながらもそう返す。
そして、
「最低だって本心で思ってるけど、
何でふっかがそこまで怒んの？」
「…え？」
「正直そんな言われると思わなかったから。何で？」
さっきと対照的に言葉が出ない。
そんな俺を見て、翔太は少しうろたえた。
.
「…え、好きなの？Aさんのこと」
一番言わせたらいけない奴に言わせてしまった。
違うって言えよ俺。得意じゃん。
今までみたいに嘘つけよ。
「…」
「え…ちょっと待って」
「…」
「マジ…？おいふっか」
「…ごめん」
信じられないという顔をした翔太に、中学時代の喧嘩以来思い切り殴られた。
勢いで体をついた俺は、ただ翔太を見つめる。
「何だよそれ…何で言わねえんだよ！！」
顔は怒りで満ちて、瞳は潤んでいた。
それが目に映ると、殴られたところではない部分が痛くなる。
「どういうつもりで俺に協力してたんだよ」
「翔太…」
「そんなの優しさでも何でもねえよ！！」
俺の目からも涙が零れる。
優しさでも何でもない。
その正しい指摘が全身を駆け巡って、俺は翔太の家を出た。
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キキララ(プロフ) - さあさんさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたんですね😊作者としてたいへん嬉しいです！ありがとうございます✨ (5月1日 9時) (
レス) id: 16c60907ce (このIDを非表示/違反報告)
さあさん(プロフ) - 面白くて一気に読み終えました。情景が浮かんでキュンキュンします。。 (5月1日 7時) (レス) @page46 id: a428b66a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年11月19日 17時
