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担任でもある先生が、補習に付き合ってくれる。
「だからこの時は…」
先生かっこいいなあ。
と思って眺めてたら、シャーペンで頭をコツンと叩かれた。
「いたっ！」
「Aが見るべきなのは俺の顔じゃなくて教科書」
「でも教科書より先生のほうがかっこいいもん」
「当たり前というか比べる対象違うからな？」
ツッコみながら優しく笑う先生。
「ねえ先生」
「ん？」
「好き！」
明るく思いを伝えた。
でも先生は、また軽く頭を叩く。
「好きだったら古典頑張ってくれよ」
「それとこれとは話違うもん。あと頑張ってるよ？」
「俺の教科だけ赤点なのに？」
「じゃあ次回避したら？付き合ってくれる？」
「とうとうおかしくなったのか？」
先生が大きく笑う。
…あれ、
何で、伝わってないんだろう。
.
補習を終えて、靴を履き替え校舎を出る。
珍しく、ため息が出た。
「おいA」
「…蓮」
「こんな時間まで補習とか赤点は大変だな」
サッカー部の蓮がそう言う。
部活はもう終わった時間だった。
相変わらずの毒舌を繰り出されても反応しない私に蓮は気付く。
「…どした？」
「…」
「…振られたの？」
その言葉に首を振ってから歩きだすと、蓮も肩を並べる。
「じゃあ何？」
「…振られる以前の問題」
「…え？」
「…好きって言っても、本気だと思ってもらえないの」
「…そんなこの世の終わりみたいに落ち込むなよ」
蓮がそう言葉をかけてくれる。
それに従って、惨めな自分にせめてもと笑ったけど、
余計惨めになった。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
