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真剣な表情で私のほうを見つめる照。
背も高いからか、そんな彼に一部の女子が小さく黄色い歓声を上げる中、
照がこっちに近づいて、私の隣に立って元彼を見る。
「Aの友達ですか？」
「…ええ、まあ」
「そうですか、Aがお世話になりました。彼氏の岩本です」
「…彼氏、」
「10時までに迎えに行く約束だったんです。なのでAはここで失礼します」
照は他の同級生にも軽く会釈してから、私の手を取る。
背中から歓声を聞きながら会場を出た。
「…ごめんね」
彼の車に乗って、暫く沈黙が流れた後そう口を開いた。
「…いや、Aは約束守ってくれたからあれだけど…
あの人元彼？」
「…え、何で」
「何となく」
そう見破った彼と目が合ったと思うと、
「…ん、！」
強く抱きしめられて唇を重ねられる。
抵抗する気をあっという間に削ぐような甘いキス。
その感触を数えきれないほど感じた後もまた包み込まれて、
「…嫉妬した」
「え、」
「だから行かせたくなかったのに…」
照が私を抱きしめる力を強める。
「今Aと両想いなのは俺だから」
その言葉に胸が鳴って、私も彼の大きな背中に腕を回す。
「嫉妬と心配してくれてるとこ申し訳ないけど、私も照しか見えてないよ」
そう言うと、彼が少し体を離す。
「…照が私を好きでいてくれてるのと同じぐらい、私も照が好きだから」
少し照れながらも言葉にすると、また照に抱きしめられた。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
