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「…どう、かな？」
普段着ないワンピースを着て、贅沢に美容師さんにヘアメイクもしてもらった。
美容室に同行した照に見せる。
「…めっちゃ可愛い」
「ありがとう。でも何でそんな顔も声も暗いの？
あ、声もー顔もー不器用な…」
「機嫌良く歌わないで」
「ねえ逆に何で照は機嫌悪いの？」
「悪くないよ」
「じゃあ何？」
「…俺以外と会うのにちゃんと気合い入れてて、可愛いから」
ちゃんと嫉妬してくれる照に一歩近づく。
「連絡するから。迎えごめん、よろしくね？」
「逆に行かせてよ」
本人は若干拗ねながらも、私にとっては嬉しい言葉を連発してくれた。
.
「久しぶり！」
「Aー！」
「久しぶり！めっちゃ可愛いんだけど！」
お世辞じゃなく本当に綺麗な同級生にそう言われ、嬉しくなると同時に思い出が蘇ってくる。
それぞれの仕事や高校卒業後の話に花を咲かせた後、
「結婚した子も何人かいるからびっくりだよね」
「もうそんな年になったんだよね私たち」
「てかみんなはどうなの？Aは付き合ってる人いる？」
「あ、実は…」
「A？」
後ろから懐かしい声がした。
「…あ、久しぶり！」
「久しぶり。元気だった？」
「うん」
友達の表情が、さっきまでと別種類の楽しそうなものに変わる。
初めて付き合った元彼だった。
顔を緩ませながらみんなが私から離れていく。
引き止めるのも変だと思って、必然的に元彼と2人の空間になる。
「髪、自分でセットしたの？」
「まさか。美容師さんの腕を借りました」
「あはは。でも、髪もその服も似合ってるよ」
「ありがとう」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
