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翔太と目が合った。
彼は私に頷いて、また美夢のほうを見て言葉をかけた。
「だから、ごめん。
でも本当に嬉しかった。ありがとな」
信じられずに呆然とする私とは対照的に、美夢は気丈に笑っていた。
「ちゃんと振ってくれたから、私未練なく前に進めるよ」
「美夢…」
「A。翔太。
おめでとう！幸せになってね」
私の背中を叩いて立ち去った美夢。
うっすら見えた綺麗な瞳は、涙でいっぱいだった。
「まじでいい奴だよなあいつ」
「うん。本当に美夢のおかげ」
立ち去っていった姿を見ながら、翔太が言った。
私も美夢を思って泣きそうになっていると、
「A」
翔太が私のほうに一歩歩みを進めた。
「言ってくれてありがとう」
「でも、それは美夢が、」
「けど美夢が言っても、Aが決めなきゃこうならなかったじゃん」
翔太は真っ直ぐだ。嘘偽りがない。
そういう所を、私も美夢も好きになったんだ。
「彼氏っぽいことちゃんとできるかわかんねーけど、」
「うん」
「これからよろしくな」
「うん。ありがとう翔太」
そう言葉にすると、彼は恥ずかしそうに目線を逸らす。
「Aも今から部活だっけ？」
「うん。翔太もだよね？」
「うん。
…そこまで一緒に行く？」
彼氏っぽいこと出来てるよって言えないけど、
その代わりに、ちゃんと縦に首を振った。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
