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そこから、宇佐見くんと話すのに反比例して、大介とは何も話せずにいた。
大介とのことが気になってないわけじゃないけど、宇佐見くんと話しているとどうしても気が紛れている。
そうして宇佐見くんへの気持ちが募っていったある日。
「お弁当箱忘れた、」
放課後それに気付き、教室に戻る。
入ろうとした時、宇佐見くんが友達数人と楽しそうに話しているのが見えた。
色んな緊張からか足が止まったうちに、気になる話題が上がった。
「そういやお前、Aさん狙ってんの？」
友達は紛れもなく宇佐見くんに問いかける。
「何で？」
「最近よく話してるじゃん」
そして宇佐見くんは、軽く笑って言った。
.
「ああー、
告らせて振りたいだけ」
え？
「は、じゃあ好きとかじゃねえの？」
「なわけねーじゃん笑わせんなよ！ああいう恋愛経験ないタイプはちょっと話しかけたらすぐ好きになんだって」
「なんだそうなの」
「あと一人で俺、一年で告られた人数記録更新すっからさ」
「わークズだねぇ」
泣いちゃだめ。
ここは学校だから。
そう言い聞かせても、限界が来そうだった。
ガラッ
「え、」
その時私の背後から誰かの手が伸びて、教室のドアが思いっきり開かれる。
宇佐見くんと目が合ったのと同時に、
後ろから安心感のある存在を感じた。
.
「大介…」
「悪い全部聞こえたわ」
そして歩みを進めて、私の前に立つ。
「…は、何だよ」
「だから全部聞こえたって」
「…へえ、それで？ヒーロー気取り？」
そうして殴りかかろうとした宇佐見くんの手を、大介は冷徹な目と共に、握りつぶすように冷静に締め付けた。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
