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「てか１時ってすぐじゃん…」
「まあまあそう焦んないで」
「焦るに決まってるでしょ」
ツッコみながらも緊張MAXの中、運ばれたメニューに手をつけると、
「ラウール来たからLINEするね」
「え！」
「ちょっと窓の方見ない！」
皇輝に注意されて、窓ではなくスマホを見ると、１時の５分前だった。
「…ラウールくん見てないよね？」
「今はスマホ見てるっぽいね。でも体はこっち向いてる」
「気付かれるじゃん！」
「いや気付かれなきゃだめなんだって。てかそんな顔じゃなくて楽しそうな芝居打ってよ」
皇輝に言われ、それなりに笑える話を暫くお互いに振っていた。
「いらっしゃいませー」
そして店員さんの挨拶の後大きくなる足音。
.
「あ」
「…ラウールくん」
「…何してんの？」
私と皇輝のテーブルの前に、ラウールくんが現れた。
彼は皇輝に目をやって、
「…何で？」
「あーごめんごめん。遅刻して」
「…いや、それは別に、」
「午前中Aと２人で会う約束してたんだけど、話盛り上がっちゃってさ」
嘘をつく皇輝をラウールくんが無言で見つめ続ける。
すると皇輝が、
「ラウールさ、本当はどっちに怒ってんの？」
「…え、」
「俺が遅刻したことなのか、
Aと２人で会ってたことなのかどっち？」
「…え？」
「…」
「黙ってても分かんないじゃん。
いや逆か。黙るってことは遅刻のほうじゃないよね」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
