#6「片想い成就計画」×White ページ21
(You side)
「…ラウールくん、おはよ！」
今日もまた、大きな背中を見つけた。
その度に私はドキドキさせられる、けど。
「おはよ」
彼はいつも通りそっけない。
それにショックを受けていないフリをしながら肩を並べるのもいつものこと。
「今日の１時間目って何だっけ？」
「数学だよ」
「数学かあ、宿題やった？」
「今回はなかったよ」
「そうだった」
…次何話したらいいんだろう。
２時間目何とか？いやでも授業の話題ばっかじゃつまんないや、
「じゃ」
シンキングタイム兼無言タイムが続いたまま教室に着いて、同じ空間でも遠いそれぞれの席につく。
寂しいけど、ちょっとホッとしてしまった。
ラウールくんにはいつもこんな感じ。
もう嫌われてるかな。
潮時なのかもな。
「おはようA」
そんな時、前の席でこのクラスの学級委員長でもある皇輝が登校してきた。
「おはよ…」
ラウールくんの時と比べて幾分と力が抜けて声も落ち着く。
そんな私の様子に皇輝は気付いて、彼の方に一瞬目をやってから宥めるように笑った。
「今日も今日とて玉砕？」
「正解です」
また皇輝は笑った後、さっさと鞄から荷物を取り出して座り、私に体を向ける。
「私もうウザがられてるのかな」
「ラウールがクールなだけだよ」
「にしてもずっとだよ…嫌われるのだけは嫌だし…」
「それはないよ」
「分かんないじゃん」
「じゃあ、確かめてみる？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
