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そしてあっという間に、翔太の誕生日。
「翔太」
教室で、私がまず名前を呼んで、次いで美夢も声を掛ける。
「誕生日おめでとう！」
「おめでとう」
「はは、覚えててくれたの？ありがとな」
「当たり前じゃん。あとさ、」
「ん？」
「部活行く前、ちょっと時間くれない？」
「いいけど、何で？」
「…私も美夢から、話したいことあって」
「それってここじゃ言えないやつ？」
「言えないやつ」
「そ、分かった」
私と美夢は顔を見合わせた。
.
「緊張する…」
「私もヤバい…」
呼び出した場所で美夢と彼を待つ。
「ねえ、美夢」
「ん？」
「本当にありがとね」
隣の親友は優しい笑顔になる。
「こっちこそ。Aも一緒だから心強いよ」
「美夢…」
「頑張ろうね！」
「うん」
「ごめん、待たせた」
翔太が来てくれた。
美夢とまた目を合わせて頷く。
「２人ともどした？」
「…あのね、」
私が先に口を開く。
「翔太のことが好きです」
「…え、」
「私も。付き合ってほしい」
次いで美夢もそう言った。
翔太にとっても、２人同時に告白されるなんて初めてなんだろう。真剣な表情ながらも固まっていた。
「…ありがとう。Aも、美夢も」
心臓がどうにかなりそう。
そんな中で翔太が呼んだ名前は、
「美夢」
親友のほうだった。
「違ってたらごめんだけど、美夢が一緒に言おうって提案したの？」
「うん」
「やっぱり。
お前のそういう所、本当すげーと思う」
分かる。本当にそう思う。
だけどどうしても、目線が下を向いてしまう。
.
「…でも」
…え？
「俺、
前からAが好きで」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
