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だから何だという視線を向け止まる。
「ごめんなA。俺どうかしてた」
「…」
「二度とあんなことしない。俺にはAだけだから。
だからやり直してくれないかな」
「先輩が浮気されてただろうが関係ありません。もう信じられないです」
「お願い、もう二度としない。信じてほしい」
縋るような目を向けられる。
「お願い、Aは優しいから分かってくれるよな？」
…何でこの人っていつも、
.
「…その辺にしてくれません？」
一段と低い声がして驚いたら、紛れもなくふっかだった。
私の腕を掴んでいた先輩の手を離して、私の隣に立ち睨むように先輩を見つめる。
「何？」
「俺全部聞いたから知ってるんすよ。Aとあなたが別れた一部始終的な？」
「…は？」
「そっちが浮気した癖に問い詰められたら逆ギレして、たった何週間かしたらやり直してくれって。Aのこと馬鹿にすんのもいい加減にしてくださいよ」
鼻で笑いながら言葉を紡ぐふっか。
分かる。
ふっかは最大級に腹が立った時、こういう怒り方をする。
「別れた時は自分が悪いのにAに怒って、今は優しいからやり直してくれるって言って、許さなかった時の罪悪感Aに与えて。
何でいつもいつもAを悪者にするんすか？わざと？それか無自覚？」
それは、
やり直してと言われた時、私が思った感情だった。
同じ感情を毅然と言い放ってくれるふっかに、こみ上げてくるものがあった。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
