#5「気付けよ、好きだから」×Purple ページ17
(You side)
付き合っている先輩とのデートに行く予定が、昨日急用ができたと先輩から連絡が入った。
家でも特にすることもないから、ただの気分で一人外に繰り出す。
埋め合わせするって言ってくれたデート、いつになるかなあ。
服ももう一回選び直そうかな。
そう思ってふと目に入ったお店に入る。
…あれ？
え、何で？
先輩、
…女の人と腕組んで歩いてる。
笑顔を浮かべる２人を気付かれない所から見ていたけど、どう見ても先輩で。
背後から、声をかけた。
「…え、A？」
「先輩」
「…な、何でこんなとこいんの？」
「それはこっちの台詞です。急用あったんじゃなかったんですか」
バツの悪そうな顔を浮かべられる。
「…この人、誰ですか」
失望まであと一秒。
「先輩…！」
「彼女だけど？」
隣の女性を、先輩はそう呼んだ。
意味が分からない。
「…は？」
「だから彼女」
「じゃあ私は？」
「知らねえよ」
「知らないって何？」
「うっせえよ！もう終わりだから」
先輩はそう言い捨てて、また腕を組んで歩きだした。
.
「は、それマジ？」
「マジだよふっかぁ…」
怒りでいっぱいになって、逆ギレされ別れたその勢いで、休日にも関わらずクラスメイトのふっかをファストフード店に呼び出した。
「何で私が怒られなきゃいけないの！？」
「とんでもねえクズ引き当てちまったなあ」
「うん大大大大凶だよ」
「大凶のさらに３つ下ね。もうあんなやつのためのダイエットとか全部やめな？ポテトでも何でも食え食え」
中1から同じクラス歴今年で4年目のふっかが、笑いながらも優しく受け止めてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
