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「…え？あ、」
会議室から出てきた宮舘さんだった。
あの子にバレないことに気を取られて、すっかり忘れてた…
「…ちょっと、」
「え、」
彼に手を引かれ、今度は私が会議室で２人きりになる。
ドアを閉めてから、宮舘さんが口を開く。
「…何、してた？」
「その…」
「…聞いてた？」
「…はい」
「…全部？」
「…全部」
そっかと宮舘さんが天を仰いで呟く。
「…すみません」
「いや、むしろ聞いてたなら話早いから」
「えっ？」
「俺の好きな人、…Aさんなんだ」
え？
「…いやいや、宮舘さんもなんてそんな、」
「…宮舘さん"も"？」
私さっきからポンコツしすぎだよね？
「ごめん、流石に聞き逃せないから話してくれる？」
「…その、」
「うん」
「…私と同じ気持ちだと思わなかったので」
勢いに任せて流れるように言った。
宮舘さんは驚いた後、私に笑顔を向けてくれる。
私もそれに返すなんて状況、
「夢みたいです」
「えっ？」
「…え、いやあの、」
繰り返す失態に、なるべく表に出さないよう努力しながらもあたふたしてると、
「ごめん、Aさん」
「…え？」
「…それは可愛すぎる」
「…え！？そんな、」
「可愛いよ」
「…」
「…キスしていい？」
その言葉で鼓動が何倍も速くなる。
許可なんて、取らなくていい。
でも彼も、私がそう言うより前に唇を重ねた。
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
