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戻ってから、心の中でため息をつく。
なんで逃げたりなんかしたんだろう。
それに、
…２人、何話すのかな。
まさかあの子、宮舘さん狙いなのかな。
「…いやいや。考えるのやめよう」
私は仕事を再開させた。
.
定時を迎える頃まではそうやって集中できた。
でも皆が帰って行った時。
宮舘さんが後輩に手招きされる。
彼はついて行くように後ろを歩いていたけど、後輩は待って肩を並べた。
…気になってしまう。
でもどちらかに何の話だったのか聞く権利は私にはない。
私は距離を取って、２人の後を追った。
.
２人は少し離れた会議室に入った。
部屋の奥側ではあってもドアは少し空いていて、隠れながら耳を傾ける。
「相談って何？」
「あの…実は私…」
後輩が、宮舘さんの手を持った。
…ダメだ。
「宮舘先輩のこと、好きなんです…
私のこと彼女にしてくれませんか？」
最悪だ。
どん底にならないように少しは予感してたのに。
宮舘さんまであの子に奪われてしまうと、正直もう…
「先輩、」
すると宮舘さんは、後輩からすっと手を離した。
.
「ごめん。他に好きな人いるんだ」
え？
「…その人と私じゃ、絶対に私に勝ち目ないですか？」
「ごめん」
「私のどこがダメですか？」
引き下がらない後輩。
この強さと自信は最早羨ましくなる。
「自分の仕事は責任持って欲しい」
「…え？」
「ごめん、俺そういうの意外と見てるから」
宮舘さんのその言葉で、後輩が彼から離れる。
彼女に気付かれないよう慌てて姿を隠した。
.
「…Aさん？」
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作者名：キキララ
| 作成日時：2023年10月20日 17時
