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先輩の宮舘さん。
私が特別な想いを抱いている人。
彼と話せることで、後輩に思う色々なことも全て昇華されている。
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「Aさん」
そしてまたある日、会社で宮舘さんに声を掛けられた。
「ちょっといい?」
給湯室で2人きりになる。
…平静保ててるかな。
「どうされたんですか?」
「あのさ、…今日仕事終わった後って、何か用事ある?」
「えっ?いや何も、」
「宮舘先輩!」
嫌な予感がした。
うわ、と思わず言いそうになる。
「A先輩もいたんですね」
「…まあ」
「あのー宮舘先輩、今日、私とご飯行きません?」
「え?」
「相談したいことがあって…」
お願いしますっと手を合わせながら、宮舘さんのことをこれでもかと見つめる。
「今日は用事あるから、仕事終わった後ちょっとだけなら話聞くよ」
宮舘さんから出たのは想定外の答えだった。
彼女も概ね納得した顔を浮かべ去っていく。
…でも、
さっきより嫌な予感がするのは気のせいなのかな。
「Aさん、」
「すみません、仕事あるので戻ります」
見たくない現実から逃げるみたいに、私は宮舘さんと2人きりの状態から抜け出してしまった。
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作者名:キキララ | 作成日時:2023年10月20日 17時